習近平総書記の「南巡」が意味したもの。
このブログ。一回完結を原則としているが。さてさて。このテーマは一回限りという訳にはいかないかも知れない。なぜなら。奥が深すぎて。あれもこれもと角度を変えて論じても、余りある重要なテーマだからである。
中国で発生した有力メディアに対する言論弾圧問題である。
前置が長くて恐縮だが。朝日新聞を中心に大マスコミは鬼の首を取ったが如く、連日賑々しく報じているが。果たして。中国国内で。それ程の騒ぎになっているかと問われれば。共産党の言論封殺は日常茶飯事。ことさら。問題にはなっていないのではないか?
むしろ。日本では、国家が言論弾圧をするなどという事件は。あの戦争へ引きずり込んだ暗黒の時代の話。それを連想させて。中国は一党独裁の政治体制。人権無視の暗黒社会なのだと、いたずらに煽りたいだけなのかも知れない。
そもそも、中国共産党の宣伝部は言論や思想を統制することが仕事。取分け。改革派メディアの多い南方には神経を使って、情報の管理・操作するのは当然だが。問題は如何なる文章が問題視されたのか。なぜ、西側メディアに言論統制の介入が漏れたのかであろう。
問題視された点について。毎日新聞「木語」は党内抗争が原因ではないか。保守派は「中華人民共和国憲法」の「国家は人権を尊重し保障する」(33条)「公民人身の自由は侵犯を受けず」(37条)が邪魔。憲法を守ったら共産党独裁統治は成り立たない。
だから。「南方週末」の社説「中国の夢・憲政の夢」の憲政の夢は許せないのであって。それは即ち穏健改革派の主張である「現行憲法の枠内の人権実現を認める」ことを容認できない保守派が仕掛けた党内抗争が背景にあると、喝破している。
つまり。日本の報道では言論弾圧に目が向いているが。実は、昨年来から続く。保守派と改革派の権力闘争が、今尚、くすぶっている。いや、激しさをましているのではないか。その証拠が、昨年の11月に習近平総書記の「南巡」であった。保守派を批判して改革開放路線を推進した鄧小平のたどった道をなぞったからである。
5000年、権力闘争の歴史を有す中国。「中国の夢、憲政の夢」を実現するのは、日本のマスコミが言論弾圧などと単純に報じるほど、その深層は簡単ではなさそうである。Goto
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