地熱を利用、二酸化炭素で発電

豊富な地熱資源を活用する。応援したいですねぇ。

日経新聞を読んでいて、興味深い記事に目が留まりました。大成建設が、二酸化炭素(CO₂)を熱を運ぶ媒体に使う地熱発電の事業化に乗り出すというのです。

地熱発電は、地下の熱で蒸気をつくり、タービンを回して発電します。しかし、従来の方式では地下水や熱水を利用するため、地下水が豊富な場所に限られるうえ、温泉への影響を心配する声もありました。地熱資源に恵まれた火山国でありながら、日本で地熱発電が思うように広がらなかった理由の一つです。

今回の技術では、地下の高温の地層にCO₂を圧入し、熱を受け取ったCO₂を地上に戻してタービンを回します。地下水に頼らずに熱を取り出せるため、これまで地熱発電が難しかった地域にも可能性が広がります。圧入したCO₂の一部が地中に固定されることも期待されています。もちろん、実際に発電所を建設し、安定して発電できるかを確かめる必要はあります。大成建設は現在、実現可能性の調査を進めています。

日本は、世界有数の地熱資源を持つ国です。地下の熱は天候に左右されにくく、安定した電力源になり得ます。デジタル化やAIの活用が進めば、必要な電力はますます増えていくでしょう。

技術や人材があっても、電力が不足し、価格が高ければ、産業の競争力を保つことはできません。再生可能エネルギーを広げるにも、火力発電に頼るにも、それぞれ課題があります。だからこそ、日本にある資源と技術を生かす道を、粘り強く探らなければなりません。

政府は2040年度の電源構成で、再生可能エネルギーを4〜5割程度とし、そのうち地熱発電を1〜2%程度と見込んでいます。新しい技術が実を結び、地熱の比率をさらに高められる可能性にも期待が寄せられています。ただし、将来5%に届くかどうかは、これからの実証や事業化にかかっています。期待と目標を混同せず、着実に確かめながら前へ進めることが大切です。

大成建設は、環境負荷を減らす技術の開発に取り組んできた企業です。その挑戦を、私は素晴らしいと思います。新しい研究は、始めたからといってすぐ成果が出るものではありません。失敗や難題に向き合い、試行錯誤を重ねる人たちがいて、初めて技術は社会を変える力になります。

人間学の視点でいえば、見えない可能性を信じ、地道な努力を続ける姿勢にこそ価値があります。そして、その努力を正当に認め、国も企業も国民も応援することが、次の挑戦を生みます。

地下の熱をCO₂で取り出して電気に変える。私には、まさに日本ならではの知恵と技術が生きる取り組みに思えます。新しい研究に挑む企業を称え、国を挙げて支える。そんな前向きな姿勢を、今の日本はもっと大切にしたいものです。隠れた資源を生かすこの挑戦を、陰ながら応援したいと思います。Goto

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