忘却は罪である。

知の集積産業、出版業界、「生き残れるか」どうかの差を正月広告に見ました。
遂にと申し上げるべきなのか・・・やはりと言うべきなのか。
昨年、出版業界41年ぶりの異変で、書籍が雑誌の売上を抜いたと報じられた。
雑誌の販売額が漫画などの落ち込みで過去最大の減少が原因とか・・
だが、では書籍の売上が伸びたのかと言えば、やはり昨対では割れている・・
全体には継続して減少傾向にあり、出版業界不況に歯止めが掛かったわけではない。
そんな出版業界・・・今年に賭ける思いは如何程かと・・・
恒例・・・出版各社の新年新聞広告を楽しみに拝見しました。(写真参照)
「創刊90周年・・岩波文庫は、これからも進化し続けます」・・・岩波書店。
創業者の岩波茂雄の意思をついで・・岩波文庫は90年で累計約6000点を発刊・・
古典の宝庫です。情報氾濫の時代です。だからこそ、古典を読む必要を感じます。
私は岩波書店が大好きです。この広告のコピーを読んで見て下さい。
古典は古いが故に古典ではない。その時代の課題を深く追求し、多くの読者の支持をうけ、
次の時代を切り開く力を持っていたからこそ、古典になる・・・納得です。
で、このコピーで感じることはありませんか。
私は・・・文中・・・小社では・・の小社の活字を一ポイント下げ、
同じく、最後の「岩波書店」も小さな活字にしてあります。(気が付きますか?)
これって、岩波書店の「謙遜の美徳」、矜持だと思いませんか。私はその姿勢が好きですねぇ。
正月の新聞に広告を出せる出版社は、まだ力がある証です。
集英社は読売、朝日、毎日の三紙に・・・それも「すき」をテーマに。
なぜ、読売に雑誌で、毎日には歴史物を、そして朝日が北方謙三なのか?ちょっと知りたい。
講談社は毎日と読売に、毎日は天才バカボンのお父さんで・
読売にはストレートにテレビを消して、本を読む正月も悪くないと・・毎日では・・
・伊集院静の大人の流儀でアピール。面白いと言えば面白いのだが・・些か軽くはないか。
雑誌が書籍に売上で抜かれたが・・・KADOKAWAは気合いを入れて・・
フルカラーで漫画の「電撃文庫」の宣伝を読売に掲載・・・
読売の読者層とマッチしているとは・・・ミスマッチものともせずが心意気でしょうか?
それと・・オン歳・・94歳の佐藤愛子さんの「何がめでたい」で、
毎日の紙面を飾った小学館。本を読む国はめでたい・・・と正月らしくまとめているが、
私も年末に・・・鋭い社会風刺を連発する佐藤女史・・まぁ・・読んで見ましたが。
えっ・・・幾ら超高齢者がお書きになった本でも、大きな活字で、
100ページそこそこ、それに内容も年寄りの冷水だけ。これで1200円は・・・
そりゃ・・・真面目な読者は・・ぼろ儲けするなよ・・何がめでたいだ・・
と眉間に皺が寄ります。
初刊号でも3日の次刊号でもない1/5に・・・日経、毎日、朝日に見開きで掲載したのが・・
宝島社の「忘却は、罪である」人間は過ちを犯す。しかし、学ぶことができる・・
世界平和は、人間の宿題である。・・・・1941・12/8真珠湾、1945・8/6広島・・のコピー
圧巻ではありませんか。
他社とは同調しません。独立独歩、我が道を行く・・宝島社らしいですねぇ。
そして、21世紀もやはり戦争の世紀ではと言われ始めた2017年・・・
年頭の挨拶に、「平和」を取り上げた見識に敬意を表したい。
そして、なるほど、雑誌が書籍に抜かれても尚、
唯一雑誌で、昨対を大きく上回る・・宝島社の真髄を見る思いです。
知の集積産業、出版社の正月広告を比較して・・・
「生き残りを賭けた差」を見ました。Goto
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