ジビエの食用化に法整備を。

山梨県・富士吉田市ではシカ肉ハンバーガーが好評です。

アイヌ民族を描いた人気漫画「ゴールデンカムイ」をご存知ですか。
まぁ・・そもそもご存知ですかと聞く私が、漫画文化に疎いのだから
大方の漫画を知らない。だから聞くってことなのですが。

たまたまですが。WOWOWでドラマ化されているから、見てみてはどうかと。
そんな声に1・2度、ビデオで観てみたのですが。全体のストーリーがわかってないからでしょう。気持ち悪いだけで、面白くもない。その程度ですが。

「ジビエを食べる」シーンには豪快で美味そうだと思った。私が思ったのだから、漫画の虜になっている若い人たちが・・・ジビエファンになるのもわかる。

そのせいだけではないが。農水省の統計によると、このところ野生鳥獣の食肉(ジビエ)の販売額が急増している。23年度には54億円に達したそうな。
ジビエは低脂肪・高タンパクが特徴。健康志向の人たちの間でも評価される。

昨今、野生のシカやイノシシによる農作物の被害や自然環境への被害が深刻化している。クマやサルが里山に降りてきて人間に危害を加える例は枚挙にいとまがない。野生鳥獣による農作物の被害額は10年度に239億円に上る。

その理由は言い尽くされている。
耕作放棄地の増加、ハンターの減少などが重なり個体数が急増し、生息域も
広がってきたからだ。もちろん、政府も放置しているのではない。13年度には「抜本的な鳥獣捕獲強化策」を定め、10年間でシカとイノシシを半減させる数値目標を掲げて取り組んでいる。しかし、シカだけをみても生息頭数は減少どころか、増えている。目標を5年間引き延ばした。

ジビエの話に戻るが。そもそもだが、捕獲された動物は埋設や焼却で処分されていた。当然だがジビエブームが来ても、食肉用に処理する施設も法的に整備されてもいない。処理施設も小規模な施設が多く供給も安定していない。だから流通経路もない。「肉の品質や安全性」についての基準もない。

そうなのです。ジビエを食用にするという文化が育っても、
そのバックヤードが整備されていないのです。まぁ・・農水省も厚労省も
被害対策としては考えているのだが、食用としては頭になかったのではないか。

しかし、ジビエの消費量が増えれば、ハンターや処理施設が強化されるという好循環が生まれる。だいたいですが、省庁ってとこは問題が発生してからしか動かないのだが・・・ここは食料の自給という観点から、低脂肪で高タンパクのジビエを食べ易くする法整備を急いではどうか。

そうそう。山梨県富士吉田市はジビエの食肉処理から加工、販売まで行う施設を7月に開設した。研修を受けたハンターが持ち込んだシカを処理加工し、ソーセージやハンバ―ガーなどにして販売している。面白いじゃないか。Goto

コメント

  1. うまのほね より:

    ブログ拝読させて頂きました。
    非常に共感いたしましたのでコメントさせていただきます。

    父の故郷は過疎化が進む山間部です。
    猟友会の人たちとも知り合いで、地元をなんとか盛り上げたいと悩んでいるので、
    「近年のジビエブームを利用しては?」と言ってみたところ、
    「ジビエに加工するには素早い処理が必要だ。しかし、そのために必要な施設が遠い。そこに運ぶ前に商品として使えないものになってしまう。もっと近くに処理できる施設があればいいのだが…」と返答をうけました。

    このようにジビエブームを利用したくてもできないハンターは、多いのではないでしょうか。
    ほかに経済的な発展性の少ない山間部に食肉加工施設をつくる民間の会社はありません。
    しかし、里山の資源もイノベーションの余地がまだまだあると思っております。
    何でも行政に頼るのは良くないのですが、民間企業が出資しなくても、需要があってそれが地元を盛り上げることにつながることには、ぜひ行政の力を貸していただけたらと願わざるを得ません。

    • goto より:

      ありがとうございます。

      行政の横並び主義って、今や通用しないのに、
      それでも、平等性を欠くとか、前例がないとか・・・
      やらない理由に終始することが多いですね。

      ジビエの処理施設・国が基準を設け、簡易なモノを自治体と民間で
      造れば良いだけの話です。

      それが進まないのは、そこに暮らす人たちが有能な首長を選ぶ気がないからです。
      岐阜県・44自治体・優秀な首長が増えてきました。
      期待したいですね。
      後藤拝