よりよく生き、より良い仕事をするために。
いよいよ九月です。秋から初冬は、仕事に最も打ち込みやすい季節。迷わず、全力で、ど真剣に仕事と向き合いたいものです。
人は不思議な生き物です。
一度うまくいくと、その成功体験にしがみつく。反対に失敗し、嫌な思いをすると、本当は必要であっても避け、逃げる。それが重なると心は膠着し、新しいこと、変わることに臆病になります。
しかし、世の中は一刻たりとも同じ姿ではありません。古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスは「万物は流転する」と説き、仏教は「諸行無常」を教えます。すべては生まれ、移ろい、やがて姿を変える。
つまり、世の中に永遠不変のものがあるとすれば、すべてが変わり続けるという事実だけです。これが「変化は唯一の永遠である」の意味です。
個人が変化を嫌い、保守的に生きるのは自由です。しかし、仕事や組織、会社となれば、そうはいきません。時代が変わっているのに、自分の仕事のやり方を変えなければ、やがて組織の邪魔になります。
成功した商品、制度、仕組みを絶対だと信じる経営者がいれば、その会社は早晩、縮小するか、消えていくでしょう。現状維持とは、実は後退なのです。
よく「不易流行」と申します。松尾芭蕉の俳諧理念に由来し、時代を超えて変わらぬ本質を守りながら、時代に応じた新しさを取り入れる、という意味です。しかし私は、「不易」にさえ変化が必要だと思います。守るべき理念も、時代ごとに問い直され、磨き直されてこそ生き続けるからです。
ユダヤ教の根本聖典は「トーラー」です。その教えを巡るラビたちの議論を集成したものが「タルムード」。伝統的な紙面では中心の本文を囲むように、異なる時代の注釈が置かれています。
一つの答えを固定するのではなく、世代を超えて問い、議論し、解釈を深めてきた。だからこそ、数千年の教えが今も生きているのでしょう。不易そのものも、絶えず流行しているのです。
私は思います。朝令暮改もよし。毀誉褒貶もよし。心変わりも、なおよし。但し、なぜ変えたのかを自分の中できちんと整理し、理解していなければなりません。場当たり的に言うことを変えるのは、変化ではなく逃げであり、誤魔化しです。変化するには、修養が要る。学びが要る。昨日の自分を捨てる勇気が要る。そして何より、自らの意志が要る。
変化は唯一の永遠。
変わらねばならないから変わるのではない。
より良く生き、より良い仕事をするために、自ら変わるのです。Goto


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