モナリザの微笑

先達はあらまほしきものなり
1477年に印刷された書物の余白に「1503年10月」の日付で「ダビンチがフィレンテセの商人の妻、リザ・デル・ジョコンドの肖像画を制作中」だと記されていた。
名画「モナリザ」のモデルを特定する重要な証拠。見つかると、報道された。「へ〜エ〜。あのモナリザの微笑は人妻なんだ!」
しかし、驚きだ。500年前。日本では足利時代。ヨーロッパでは、すでに、本が印刷されていることに。その時の絵画。そのなぞを、今尚、追い求めていることに。
イタリアの出来事が、ドイツの大学図書館で見つかる。小さな記事に、ヨーロッパ各国の文化、文明の交流を改めて知り、歴史の深さを感じる。
これらの貴重な資料が保存され、時代を経て、なぞが解明される。なんとなく気持ちが晴れるから不思議だ。それに、資料が大切に保存されてきたのは、宗教のなせる技だと思う。
日本でも1400余年前に仏教が渡来。それ以降、各地に寺院が建立され。そこには、印刷物といった高度な文明を駆使した書物はないが、宗教家達がその地に根付いた人の風習や因習を綴った古い、貴重な資料が残されている。
日本の社会。痛んできた。結構、生き詰まった感じだ。先が見えない状況になった気がする。
各地の神社仏閣には、モナリザは誰か?といった世界史的ななぞを解く、資料は出ないかもしれない。しかし、営々と生き延びてきた、日本人の貴重な知恵と体験が、眠っているかもしれない。それが、「明日の指針」となって、モナリザのように微笑む、かもしれない。
「先達はあらまほしきものなり」と言うではないか。故郷の菩提寺を訪ね、山河の空気をおもいっきり吸って、自分のルーツを探るのも一考か?                   Goto        

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