名所

分水嶺と分季嶺
私の秋の楽しみに、飛騨高山を訪ね大祭にお参りさせて頂ける行事があります。
今年で連続10回参拝させて頂きました。心洗われる思いに、感謝一杯です。
我が家から飛騨高山中心地まで、東海北陸道、飛騨路を貫き、約一時間半。飛騨清見インターから、高山西まで高速道路が繋がり、名古屋駅からでも2時間少々で着きます。
高速道路建設に対する批判はよく理解できますが、使ってみると実に便利です。まして、予定の時間に目的地に着くに、渋滞に巻き込まれては大変と、朝、少し早めに出ましたので、高速料金も半額。随分得した気もします。
御存知の方もあろうかとは存じますが、東海北陸道、美濃から飛騨路に向う高速道路に名所が二つあります。(私のオリジナルです)
一つは、大和を超え、高鷲から荘川の手前。この地点から北側で降った雨は、日本海に流れますよ。との分水嶺の標識(標高940m)。私はその標識を見ますと、何故かしら胸がキュンとなります。
なぜ、そんな気持ちになるのか?不思議なんですが、人は人生の節目で、重要な選択をしなければならないことがあります。私はその標識を見ますと、自ら過した選択の瞬間が去来します。
運命の分かれ道の現場に立っているような錯覚に陥るんです。
飛騨は山国です。山また山です。見事な紅葉。広葉樹と針葉樹が山肌に幾重もの帯をなし、それはそれは奇麗な紅葉に目を奪われました。だから、そこは私の取って置きの名所です。
東海北陸道。もう一つの名所は、荘川から飛騨清見の間にあります。
そうです。標高1085メートル。日本を縦横に走る高速道路で一番高い位置の標識です。
私が単純なんだと思いますが、感動しませんか?私は、こんな山の中を、トンネルを幾つも、幾つも掘りながら海抜1000mもある山の頂(日本一の高さ)に高速道路を造る人間の力って、凄いと感動するんです。
で、その位置に来ますと、分水嶺よりも高い位地なのに、ここが分水嶺じゃないのはおかしい。と、分っているのにいつも、思うんです。そして不思議な気分と妙な感動が同時に湧くんです。
昨日もそこで不思議と感動を楽しんだのですが、
940mの分水嶺では、紅葉真っ盛りなのに、そこから、車で5分足らず。標高日本一の場所には、
木々に紅葉する葉がほとんどない。
わずか100mの差。そこが秋と冬の分季嶺。たまたま季節の変わり目に遭遇出来たんですが、この標識も私のお気に入り。東海北陸道の名所と映るのです。
山を切り裂き、川を超え、一文字にコンクリートラインを引く高速道。その無味乾燥地帯に、新しい名所を発見するのは嬉しい。
参拝に導かれ、分水嶺に我が身を振り返り、標高日本一に分季嶺に不思議を覚え、
そして、早起きで料金半額の得まで頂き、晩秋を楽しみました。
こんな日に、高速道路が「ただ」になれば、さらに良いがと考えるのは、欲深いことですね?
                                         合掌   Goto
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