新しい日本人をつくる

緊張感を持って、ともに学び、励まし合って進んで行きたい。
私に教育を語る資格などないのだが。石原慎太郎東京都知事。辞任会見で教育問題に触れ「文科省はゆとり教育の誤りを認めようとしない」と声高に批判したのが耳に残る。六重苦に喘ぐ日本。高度成長よ。バブルよ再び・・との、幻想を抱いても戻っては来ない。
であるとするならば。日本唯一の資源である人を教育する以外にない。教育といっても、色々あるのだが、いくら頑張って勉強した人でも、豊かさと引き換えに、緊張感をなくし、怠惰になるモノである。日本が豊かであるかどうかは見解の違いだが。少なくとも衣食住足りて礼節を忘れるという。忘れて、教育がおろそかになっているのは否定できないだろう。
新興国の熱心な教育熱に比べると、ハングリー精神をなくした日本人は、自らを鍛えたり、命がげで学問に勤しんだりする比率が随分下がっているような気がする。豊かさと怠惰を対等に考えるには無理があるが。怠惰は精神の弛緩を伴う。一度、精神が弛緩すると、勉強しようとか、己を鍛えようとか。学問に興味を持つことが億劫になる。
やはり、ひとが鍛えられ、磨かれるのは若いうちであろう。我々のような還暦過ぎの団塊世代になると、一度精神が弛緩してしまうと、元に戻ることは、並大抵ではない。その意味ではゆとり教育のもと、柔軟な頭を持つ子供を鍛えずに弛緩させてしまった罪は重いと言わねばなるない。
このほど、日経新聞が「新しい日本人をつくる」試みをスタートさせるという。(写真参照)
内容は、怠惰にも流されず、気力も気持ちにも緊張感を持ち、弛緩することなどない、日本を代表する経営者が、現在直面する課題を、自らの経験を交え提示して、これを解決するための独創的なアイデアを学生から求め、実現の可能性を探るという手法で、若者を教育し、「新しい日本人をつくる」そうだ。
日本株式会社の機関紙日経新聞が、人材育成以外にこの国を再生する道はないとの、覚悟の現れ。その心意気や良し。これから国の舵取りを担う、若く、新しい力を育てるこのプロジェクト、ぜひ、一過性で終わらせず粘り強く推進して欲しいと願う。
我社の社員も、10月末で、320名となった。平均年齢。25歳と若い。一人ひとりが素晴らしい人材である。誰一人として怠惰で、弛緩した生活はしていない。むしろ、柔軟な発想で、意欲に燃えている。還暦過ぎのおっさんとしては、そんな彼らと、切磋琢磨、緊張感を持って、ともに学び、励ましあって、進んで行ければ、人材は育ち、道は拓けると思っている。Goto

10/29日本経済新聞

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