広告は広告です。

現在の政治状況は政治家がつくっているのであって、メディアのせいではない。
「誤った報道をするマスコミを懲らしめるには、経団連に政治的圧力を掛け広告料収入を自粛させれば良い」・・一部の無節操な自民党議員がそんな趣旨の発言を繰り返しているのが話題になっている。本気で、そう言っているとすれば、広告業界も舐められたものです。
広告の役割とか価値をそもそも論で述べる積りはありませんが。勇ましい彼らは、今日の政治情勢を形成している根幹はマスコミにあるとの認識がこの暴論の根拠になっているのでしょう。だから、マスコミを経済的に追い詰めれば、自分たちの都合の良い論調に変えることができると思っている。
こんな暴論が飛び出すと、経団連と自民党の蜜月が発言の背景にあると、ここぞとばかり、安倍政権を「55年体制の腐れ縁で、もたれ合い癒着」「経団連は、鉄鋼や電力など国内では伸びる余地がない産業が中心、実は日本経済の構造改革の一番の抵抗勢力」「その古臭い産業が生き残るために安倍政権が手を貸している」と批判する慶応大の教授のような声も大きくなる。
これも暴論の尻馬に乗っての政権批判だからピントがまるでボケているのだが。広告は経済活動を助長するものであって、企業の経営戦略の一環である。経団連であろうと商工会であろうと、それぞれの企業の広告戦略を見直させるほどの影響力は持たない。
理屈っぽくなったが、新聞社の総売上に占める広告収入の割合は23%、テレビ局は約70%、メディアは広告なくしては成り立たないビジネスモデルである。だからと言って、政治的圧力によってペンを折るようなことが表面化すれば、国民がメディアから離れる。
そうなれば、経団連であろうとなかろうと、広告出稿の企業は広告効果が認められなくなるので、スポンサーを降りることになる。となれなば、メディアの経営に支障がきたすので、政治的圧力に屈することは、自滅を意味する。
確かに、メディアの経営は広告出稿によって成り立っているのだが。メディアはあくまでも媒体である。国民の支持や理解がなければメディアとは言わない。そこが全く分かっていない、中途半端な陣笠議員の戯言にいちいち目くじら立てて報道することの方がおかしい。
広告をいじることで、メディアを懲らしめるなどとは片腹痛い。政治状況は政治家がつくっているのであって、メディアがつくっていると考えているなら、政治家など辞めて、メディアでもつくったらどうか。ましてや、広告は、広告であって、政治やメディアが勝手に出し入れできる補完物ではないことを知ってもらいたいものだ。Goto

コメント

  1. Goto より:

    コメントありがとうございます。
    私が申し上げたいことを代弁していただきありがとうございます。メディアは商業主義です。広告で頂くものは頂き、記事では批判するものは批判して、読者を頂く。拝金主義ではないですか。ハゲタカファンドと同じです。嫌ですねぇ。この不道徳。Goto

  2. 風来坊☆ より:

    確かに舐めた発言ですね。今回の議員は。
    いま各新聞社の広告段単価はかなり下がってきていると思います。
    部数や反響が減っているので当たり前ですが・・・
    ただ選挙広報の際、各政党からは定価の金額を取っています。
    自民党の批判をしている各新聞社はちゃっかり広告を定価で貰って、そのときだけは潤います。
    ナショナルクライアントが広告を年間多く出していると、大手代理店含めた圧力で不祥事はかき消さりたりもします。
    ペンと力、相手を見て批判するのではなく、公平にしてほしいとは思います。
    民主党時代、朝日はすごい擁護する発言を連発していました。
    自民党議員の発言も如何とは思いますが、各メディアの論調も如何なものかと思います。
    議員が何を吹こうが、結果の出る媒体には客が集まります!!!