大学トップ、新入生に何を。

親が入学式に付き添う時代です。式辞もやりにくいのかも。
時代が変わるようだが、トップの式辞には変化を感じないなぁ。
大学の入学式、親が同行するのは出席学生(97.6%)の内、74.6%で
10年前に比べ9.8%増えたそうです。
大学側は席の確保に苦慮、「学生ひとりにつき保護者2人まで」と制限したり
別会場に映像を中継したりで「入学式狂想曲」って感があります。
インターネットで配信する大学も増えているのだが、意外に見られていなくて、
リアルに会場に足を運びたがるそうです。
大学の入学式は新入生のためというより「ここまで共に頑張った親のため」でも
あるのですが。私が古いんでしょうが幼稚園じゃあるまいし、
親に付き添われて、入学式じゃ、いつまで経っても子離れも親離れもしない、
軟弱な人間しか育たないのではと、些か危惧します。
そんな影響もあってなのか。トップの式辞。
新入生向けというよりも、親や社会に向けての内容が多い気がします。
「やるかやらないか迷ったら、やってみる勇気を持て」明大学長。
別段、学生じゃなくても、最近の保守的な社会風潮に言えることではないか。
「現地や現場に足を運び、現実を自分の目と肌で感じる姿勢を身につけてほしい」
農学部が新設された福島大の学長。営業活動の要諦ですがねぇ。
「自ら課題解決する気持ちを強く持ってスタートを切れ」帯広畜産大の学長。
ソリューションブームの金融機関の入社式みたいです。
「逞しい知性としなやかな感性を育め」早稲田大総長
「多様な人々と関わり、異質さを受け入れながら行動することが不可欠」東大総長
親を意識して、こんな人間に育てたいとの願望を滲ませての発言ですね。
どの式辞も「ごもっとも」「その通り」だと思うのですが、
時代は変わるのです。いや、まさに蒸気が大量生産を可能にしたように、
電力が夜を昼に変え24時間体制を敷いたように、第4次産業革命は、
労働の価値感は元より生活様式をも根本から覆します。
そんな激変に対しどう生き、どう学ぶのか、来たるべき社会への
心構えに言及する言葉が聞けないのが残念です。
ひょっとしたら、大学のトップって、もはや学者では難しい時代に入ったのではと
思わずにはいられないのですが。Goto

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