副業容認の意味がわからない……

理想と現実の格差が大きすぎませんかねぇ。
昭和の話です。岐阜市はアパレル、いや既製服の一大産地でした。
私が子供の頃、母親もそうですが、新聞記者だった親父殿の薄給を
補うべく内職で縫製の仕事をしていました。近所の主婦たちもです。
副業というのは本業以外に行う仕事、本業のかたわらにする仕事で、内職ともいう。
近所のお母さんたちが主婦のかたわらに「縫製」の仕事をするのが内職でした。
昨今、働き方改革の一環なんでしょうか、大手の企業が社員の副業を奨励する動きが。
人材の流動化が遅れている日本で、多様な働き方を促すのが目的。
厚労省が2018年1月、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成。
それを受け、企業が就業規則の参考とする「モデル就業規則」を見直し、
「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」の規定を削除し始めた。
私の率直な感想です。
副業の促進で、社員の成長やモチベーションの向上になるのか。
セカンドキャリアの形成になるのか、新規事業開発や本業の強化になるのか。
果たしてそうなるでしょうか。そうなる人もいるでしょうが……
しかし、現実的には生計を維持するため、貯蓄や自由に使える
お金を確保するための副業が多いようです。理想と現実の違いでしょうか。
乱暴に申します。本業で満足に仕事ができないのに副業など始めたら、
「虻蜂取らず」で両方とも中途半端になり、いい加減な人材にしかならないのではないか。
人間形成の上でも、よろしくない制度だと思う。
日本の産業構造、9割以上が中小零細企業で構成されています。
少人数で働く企業で、社員に副業など奨励したら、たちまちに成り立たなくなってしまう。
働き方改革の「副業奨励」とは大企業のモノ、中小企業には遠い話です。
労働時間の短縮が働き方改革の推進のはずですが、
副業を奨励するってことは、もっと働けって事にはならないか。
整合性を感じないのですが。どう思いますか。
それに、この発想が欧米、特に米国の働き方に源流があるとするならば……
米国では、本業があって起業した人は賃金が三分の一以下になったとか。
副業がある人の本業の所得が激減したとか、決して良い話ばかりではない。
何でもかんでも、無理矢理アメリカナイズすることが働き方改革だとは思えない。
だからと言って、終身雇用でなければならないとは思わない。
現実には新卒で就職して定年まで働き続ける人は4割にも満たない。
すでに終身雇用の制度は崩れつつあるのです。
にも拘らず、敢えて、副業を奨励する必要があるのか。疑問です。
近所のおばさんたちが、集まって、ワイワイ言いながら、
楽しく内職に精を出していた昭和30、40年代の姿を思い浮かべると、
彼女たちには「本業」の主婦では誰にも負けない迫力があった気がします。Goto

コメント

  1. ただの苦労人 より:

    後藤様
     ご返信いただきありがとうございます。
    確かに日本は、中小企業が蔑ろにされているように思います。もっと目を向けるべきだと思います。
     しかし、御社の数多くのCSR活動は本当に素晴らしいです。副業推奨するよりも、こういった活動こそがもっと評価されるべきであります。お金が全てではありません。『priceless』

  2. Goto より:

    コメントありがとうございます。
    二世議員が半数の国会議員です。
    働くことの意味も、中小零細企業の苦労も、
    何もわかってはいません。
    与党議員だけじゃない。野党もバラバラ、結局は好き嫌いの甘い世界で、政府への不満の吸収のみです。
    副業を認める大企業が一番副業をやらない組織になっているのが現状です。
    Goto

  3. ただの苦労人 より:

    後藤様の仰る通りです。
     副業をしている社員は、明後日の方向を見て仕事をしているようです。
     しかも副業を禁止している企業に勤めているにもかかわらず色々な意味で本当に残念です。
     挙句の果てには、定時で退勤してそのあとに副業していたらと考えると、みなし固定残業代を払っている企業経営者としたら憤りすら感じると思います。
     これが、時代の流れなんだと考えると????