あきらめたらアカン

コロナ禍を理由に廃業も倒産もしないで下さい。
手元に古ぼけた1冊の文庫本があります。
表題は中広報発行5周年記念「あきらめたらアカン」(1996年7月10日創刊)です。
そうなんです。四半世紀前に私が出版した本です。
96年は、岐阜県大垣市に「中広ITC」を建設した年です。
これからは「高齢化・国際化・情報化」の時代が訪れるだろう。
取り分け「情報化」は社会の構造を根本から変えることになると、
岐阜県は「情報化」の拠点として大垣市に「ソフトピアセンター」を創りました。
当時はITをマルチメディアなんて言っていた時代です。
私も、広告の世界も大きく様変わりする。「インフォメーション・テクノロジー」が
重要だと判断、県のソフトピア構想に賛同し、中広ITセンターを創りました。
もちろん、今でも我が社の重要な拠点として機能しています。
その竣工式に合わせ、毎月発行する社内報「中広報」に掲載していた「拙文」の
5年分をまとめ文庫本にしたのが「あきらめたらアカン」です。
なぜ、そんな錆びついた自著を手にしたかと申しますと・・・・
コロナ禍で経済的に最も影響を受けたのは「観光産業」です。
3月の訪日旅行者は前年比で97%減です。この数字が意味するところは、
国内の観光客もインバウンドもゼロになったということです。
政府は観光立国を目指すと2020年には4000万人を目標に・・・
この4、5年順調に推移。外国人旅行者も都市部からローカルの観光地へと向かうように。
これなら設備投資をしても大丈夫と、地方でも旅館やホテルが建設・増設されました。
岐阜県の山間にある温泉地もインバウンド増を見越して設備強化がブームに。
それが一瞬にして、閑古鳥。飛騨・高山市の奥飛騨温泉郷で最大規模を誇った
老舗旅館が倒産しました。他にも土産物店や飲食店など観光関連企業の
廃業や倒産が相次ぐ事態です。
私は思うのです。観光産業が顕著ですから、ここに取り上げましたが。
コロナ禍がもたらす経済的打撃は「今チョットしたバブルでニンマリしている分野」も
あるでしょうが。そんなのは一時の徒花です。各分野・産業に及びます。
誰も逃れることなどできません。それも日本のみならず全世界が不況の嵐に
見舞われるのです。いや、そうならなければ有り難いことです。
でも、です。ここまで先の見通しが付かない以上は最悪を覚悟せねばなりません。
それは理解できます。私も何度も辛酸を舐めてきましたから。
で、私が申し上げたいのは、なぜ簡単に、いや、複雑な事情はあるでしょう。
簡単などと言えば叱られます。それでも申し上げたいのです。
なぜ、諦めて倒産するのですか。なぜ、ここを踏ん張らないのかと問いたいのです。
ここは、あきらめる時期でも、タイミングでもないのです。
赤信号をみんなで渡っているのです。脱落しなくてもよい場面なのです。
歯を食いしばって辛抱するときなのです。なぜ、それがわからないのでしょうか。
人生には様々なことが起こります。でも、このコロナ禍にだけは負けてはアカンのです。
四半世紀前に発行した「あきらめたらアカン」を読み返して、
私はなぜ、こんなタイトルを付けたのか。「人生塞翁が馬」
「あきらめ」なければ、そうです。生きていれば「何とかなる」との意味で付けました。
だから、特に「コロナなんかに負けてはアカン」のです。Goto

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