日本消滅

家族に多くの子どもを、社会に多くの家族を・・・
日経のオピニオンページに掲載される「核心」のコーナーは読みごたえがある。
時の人・・・米起業家イーロン・マスク氏がつぶやいた日本に対する警告を
重みのある分析で解説しています。新聞っていいですねぇ。
「当たり前のことをいうようだが、出生率が死亡率を上回るような変化がないかぎり
日本はいずれ存在しなくなるだろう。これは世界にとって大きな損失となろう」
シリコンバレー発でこれを報じた日経電子版の記事は、この週に読まれた記事ランク
首位だったそうです。
ツイッターのきっかけは1年間で総人口が64万4千人減ったという人口統計のニュース。
共同通信が英語で配信しました。この統計で「日本が存在しなくなる」は
些かオーバーですが、死亡が出生より多くなれば、いずれはそうなります。
そのことを自分事だと思えない日本人に警鐘を鳴らしたとするならば・・
やはりマスク氏は容易ならざる人物だと思います。
時の首相で、少子化対策に傾注したのは・・・新自由主義者と批判の多い、
小泉純一郎首相でした。05年4月、官邸前庭で泳ぐ鯉のぼりを見上げ・・
子ゴイが一尾しかいないのに気付き、「1人はまずい。3人は産んでもらわねば」と呟いた
官邸職員は慌てて子ゴイを増やした・・・笑えない逸話が。
なぜ・・・若者は子どもを産まないのか。記事では分析がされていますが、
言い尽くされた理由は「経済力」不足で男女共に若者が結婚をイメージしにくくなり
子どもを持つことへの一種の諦めが蔓延しているのだと。そんなことは今更いわなくても。
戦後のドイツはナチスの国家主義と人種差別への嫌悪から、国による出産奨励を
タブー視する空気が強かったそうです。その点では戦前戦中に「産めよ増やせよ」と
出産報告況が似ていましたが・・
だが、02年以降に家族政策相に就いた2人の女性政治家がタブーを打ち破りました。
シュミット氏(02〜05年)とフォンデアライエン氏(05〜13年)です。
フォンデアライエン氏は現欧州委員長です。
シュミット氏は「家族に多くの子どもを、社会に多くの家族を」と呼び掛け、
ワークライフバランスの実現に腐心し。フォンデアライエン氏は育児休業の使い勝手を高め
保育所の大増設を敢行。11年には1.36だったドイツの出生率は16年に1.6へ急伸しました。
あれって思いませんか。
ワークアンドバランスって日本では20年前から労働界を中心にいわれ続けています。
保育所の増設も10年前から横浜の林前市長や東京の小池知事らがゼロ運動に取り組んでいます。
それでも一向に出生率が増えません。ドイツができて日本ができないのはなぜでしょう。
簡単です。決めたことはやるドイツ政治と、言葉は発するがやらない日本政治との差です。
なぜ、そうなるのか。マスク氏は「出生率が死亡率を上回らねば・・国が消滅する」と
憂うのですが。日本人は自分の国を愛していないからです。
朝日新聞の自虐観のせいだとは思いませんが・・
日本という国が安全で安心・風光明媚・国民の人情は厚く、経済も安定していて
世界でもっとも住み易い国、世界に冠たる素晴らしい国であることを
否定し続けていること、即ち愛国心の欠如にあるのではと思う・・
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