朝日新聞が通販会社に

広辞苑で「やさしい」を引いてみました。恥ずかしいと出てきた。

私の自宅、猫の額よりも狭い小部屋。これが書斎です。本と書類が重なって足の踏み場もない・・なぜ、こんな窮屈なところが良いのか。理由は一つ。窓から岐阜城が見えるからです。その小部屋の机の上の本棚に・・・最近、スマホのせいでめっきり活躍の場を失った広辞苑があります。

今日は何の日か?「広辞苑記念日」です。どの家庭にも一冊はある・・
国語辞典・広辞苑の普及こそが日本人の知性を支えたのですね。
初版の発行は1955年。5月25日。約25万語が収録。14年間で110万部を販売。10年に一度の改訂作業を繰り返している。岩波書店の出版だか、岩波が日本の良識と言われる所以です。

「やさしい」の意味を広辞苑で引くと「身も痩せるように感じる。恥ずかしい」とでてくる。ぴんとこないのだが、『万葉集』や『古今和歌集』で用いられた語義。いかに言葉が生まれ、使われてきたのかを紐解く醍醐味が詰まっているのが広辞苑。暇を持て余していた頃、退屈凌ぎに広辞苑をペラペラと開いていたのを思い出す。

広辞苑の話ではない。朝日新聞社のことです。
私は「新聞命」です。とりわけ朝日新聞が大好きです。
その朝日に、朝日新聞社がカタログ通販企業「ライトアップショッピングクラブ」を買収したとの記事が掲載されていた。朝日新聞グループの通販事業の中核会社として、発展を目指すそうな。

ライトアップショッピングは「選りすぐりの衣料品」「雑貨」などを取り扱い、カタログやオンラインに加え、主要都市に直営店も展開。主力のカタログは老舗の名品を紹介するなど年間100媒体にのぼるそうです。自社のカスタマーセンターで受注、アフターサービスまで顧客への対応を一貫しており、シニア層を中心とした顧客層に強みがある企業です。と、まぁ・・びっくりするくらい持ち上げています。すごい通販会社なのですねぇ・・・

この買収により、朝日新聞グループは行動的なシニア層のライフスタイル事業の充実に注力する。両社はそれぞれの強みを生かし、シニアの暮らしを豊かにする新たな商品やサービスを連携して開発すると意気込んでいる。

さらに朝日のトップは「ライトアップショッピングクラブと朝日新聞の顧客基盤には広く公共性があり、シナジー効果を高めることはもちろん、新しい事業創造に繋げるものと期待している」と談話を発表しています。

あなたはどう思いますか?朝日新聞が通販事業に本格的に乗り込むことを。
えっ・・殿様商売に新聞社が通販事業なんてできないって。そんなことはないでしょう。日本の流通業の主力に踊りでた通販会社。提携会社以外にも山ほどあるのに、公平性を旨とする新聞社が、特定に通販会社を買収して傘下に収めるとはねぇ・・それは朝日といえども民間会社だ。何をやろうと自由じゃないか。そんな声もあります。

私は最近思うのです。大好きな朝日新聞。文字が大きくなって、ページ数が減っている。表向きはシニアに「やさしい」新聞を標榜しているのだろうが・・それって、新聞のコンテンツである記事が減少したってこと。新聞社の使命は、社会が健全に発展する。民主主義国家としてこの国が道を踏み外さないように監視することにあります。

通販会社を買収して、小売業に参入することではない。
新聞を真面目に読んでいる読者は、朝日新聞がより密度の高い記事や論説に期待して購読しているのです。トップが「通販事業は新しい事業だ」と胸を張ってもらってもねぇ。第一線で頑張る記者が首を傾げているのでは・・・
朝日新聞って「身も痩せるように感じる。恥ずかしい」そんな「やさしい」新聞なのでしょうかねぇ。Goto

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