自信は、まず一歩を踏み出すところから。
最近、年を取ったせいでしょうか。若い人たちから、さまざまな相談を受けるようになりました。その中で、私が「うーん」と考え込むのは、「自信が持てない」「元気が出ない」「やる気が起きない」という悩みです。話を聞いていくと、その根っこに「自分を信じられない」という思いがあるように感じます。
では、自信を持つにはどうしたらよいのでしょうか。
自信とは、「自分なら何でもできる」と思い込むことではありません。人間学的に言えば、自分との約束を守った経験が積み重なり、自分を信じられるようになることです。誰かに認められて得る自信もあります。しかし、それだけでは人の評価に左右されてしまいます。自分で決めたことに取り組み、できたことを確かめる。その積み重ねこそが、揺るぎない自信につながります。
だから、まずは小さな目標でよいのです。今日やることを一つ決める。完璧にできるか悩むより、まず手をつける。できばえより着手を大切にする。そして一日の終わりに、「今日はこれをやり遂げた」と、自分の歩みを認める。失敗したなら、自分を責め続けるのではなく、何を学び、次にどうするかを考える。自信のある人とは、失敗しない人ではありません。失敗しても、そこから立ち上がる人です。
このことは、個人だけでなく、国にも通じるのではないでしょうか。
先日、米国で高市首相とトランプ大統領が首脳会談を行い、その後、習近平主席が訪米して米中首脳会談に臨みました。高市首相との会談は約35分。その後、トランプ大統領は習主席を空港で出迎え、国賓として歓迎しました。さらに米中両首脳は、第二次世界大戦で米中が同盟国として共に戦った歴史に言及しました。習主席も晩餐会で、日本軍国主義に立ち向かった歴史を語ったと報じられています。
こうした光景や発言を前にして、日本の立ち位置を心配する声が出るのも無理はありません。ただ、首脳会談の長さや歓迎の様子だけで、同盟の行方や相手の考えを決めつけることはできません。実際、高市首相は米中会談後にトランプ大統領と電話で話し、日米の連携を確認したと説明しています。
それでも、私たちが自国のことを人任せにせず、誇りと責任を持って考えることは大切です。自信とは、相手を見下すことでも、過去を忘れることでもありません。自分たちの歩みを知り、課題に向き合い、果たすべき役割を着実に果たしていくことです。
十月。日本列島は一年の中でも働きやすい季節を迎えます。八月末から九月にかけての長雨や水害に心を痛めた方も多いでしょう。それでも、目の前の仕事を一つずつ丁寧に進めることが、会社の力になり、地域の力になり、やがて国の力にもなるはずです。
若い皆さんに伝えたい。自信を持ってから始めるのではありません。始めた自分を認めることで、自信は育っていくのです。小さな約束を守り、今日の一歩を踏み出す。その一歩を積み重ねるところから、自分への信頼も、日本への誇りも生まれてくるのではないでしょうか。Goto


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