真似る時代は終わったのではないだろうか。
あまり面倒なことを言いたくないのだが。貿易立国日本のあるべき姿について、思いを馳せたい。毎日新聞7/11付朝刊。興味ある記事が二題掲載されていたので、それを参考に。
一つは、原発輸出。福島の事故が重くのしかかるが。民主党政権は06年自民党政権時代策定した「原子力立国」計画の方針を変えていない。輸出するのが基本方針だ。しかし「国内では脱原発だが、国際的には原発推進」という分かりにくい現状である。
原発建設は1基。6000億円。付帯設備を加えると1兆円との試算がある。日本の原子力産業は最先端の技術を誇る成長産業だといわれ、輸出に陰りが見られる製造業に代わる中核産業に位置付けられてきた。原発を建設できるのは日本のメーカー3社と米2社。フランス、韓国、ロシアの国営企業しかない。
原油、天然ガスの高騰。新興国、途上国にとって、エネルギー問題は深刻。競って、原発建設に舵を切っているのが世界の趨勢である。勿論、それぞれの国には根強い反対があるが。それと、日本が身動きできない状況を見抜き、韓国の大統領が猛烈な勢いで「原発受注トップセールス」を展開している。
このまま宙ぶらりんでは、早晩、日本の原発輸出は不可能になるだろう。原発反対。脱原発を唱えるのは簡単だが。原発建設優位である国際競争力を放棄するのか。それとも、国益のために推進するのか。貿易立国日本の分岐路といえるのではないだろうか。
もう一題。良品質、廉価、規格大量生産型の製品で世界を席巻してきた日本の貿易。新興国の追い上げに路線を高品質、高価格への転換を迫られてきたが。この5・6年は「アジアのボリュームゾーンを狙えと、現地生産に舵を切ってきた。その結果。国内空洞化が顕著となった。
それではいけない。やはり輸出は高級品でと。欧州で一人勝ちのドイツモデル「高価格品の輸出と得意分野での世界市場確保」に学べと「通商白書」はのたまう。だとすれば、政府はドイツに負けぬ技術で世界の市場に挑むる日本の中堅企業は多々あるのだから・・・・
それらの企業への様々な援助や支援を惜しまず、成長路線を早急に推し進めるべきではないか。ドイツが頑張っているから。ドイツに真似ろ。では、あまりにも評論家的。日本の企業は、政府が考えるほど、稚拙ではない。技術立国、貿易立国である矜恃は、他国の真似などではない、ジャパンモデルを構築することだ。
貿易立国ニッポンの底力を期待する。Goto
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