テレビ開局60年に思う。

役員よ。英断を持って、バカ笑い番組を切り捨てよ。
テレビ開局60周年を記念して、NHKと日本テレビが共同で、特番を組んだ。
業界の端くれとしては、民放と公共放送のコラボ。画期的な取組。これを見逃すわけにはまいらぬと。ビデオに収録。やっと、見ることができた。・・・それこそ、テレビの抱える問題が、見えてきた。
読売新聞の2/1付、「テレビ60年」と題した社説。
これも、なかなか大胆な指摘。思わず唸ってしまった。
NHKの調査で、国民全体では平日にテレビを見る時間は平均3時間28分。
だが。午後7時から10時のプライムタイムの総世帯視聴率は63,9%・・最も見られるメディアだが、10軒に4軒は見ていないことになる。
日テレとNHKが丹念に歴史を振り返ったが。民放は個人消費の拡大に貢献。公共放送は秩序ある健全社会育成に貢献。それぞれが。戦後の高度成長を牽引したのに違いはないが。それは歴史の3分の2で、バブル崩壊からの閉塞感漂った10年。そして無為に過ごした失われた10年。
残りの3分の1は、怠惰と享楽に身を沈め、日常性に埋没するを是とする風潮を呼び込んだ責任はまぬがれないだろう。読売の社説は「視聴率にとらわれるあまり、性別、年代別のターゲットに振り回されている」「チャンネルはどこも毒舌のゲストやお笑い芸人、若造のタレントが並ぶ番組ばかり」
「人気ものを揃える吉本タレントを出演させないぐらいの決断をしないと、テレビは変わらない」と語るのは、評論家ではない。民放キー局の役員たちの本音だと、書く。民放だけではない。NHKも若者に見てもらいたいばかりに「民放化している」「番組宣伝が多すぎる」との根強い批判が渦巻くと、テレビの現状を嘆く。
2010年度の番組輸出額は63億円。うち半分がアニメ。国をあげて支援する韓国は10年度の売上は165億円。その半分は日本の放送局が購入しているというのだから飽きれる。社説では、国が番組輸出のために前例のない170億円予算を計上。字幕放送や吹替えに補助する体制を整えた。
番組の輸出は日本への理解も増すことになる。輸出可能な番組を制作することが、質の向上となり。テレビメディアの趨勢を決すであろうと、述べている。視聴率至上主義が、テレビの劣化を招き、その役割と使命を自ら貶めている。社説の提案はその通りだと思う。
テレビ開局60周年。放送と通信の垣根はもはやない。
テレビ局に求められるのは。過去の栄光すがることではない。視聴率至上主義で、ひたすら営利に走ることでもない。テレビは何のために存在するのかを、真摯に問い直し。テレビの役割とは、こうあるべきだと、チャレンジすることではないだろうか。
テレビ局の役員達よ。バカ笑い番組を切り捨てよ。
そこからテレビ局の新たな価値が生まれる。頑張れ!テレビ局。Goto

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