日経、アートレビューに「絣模様」熟練の技を学ぶ・・・
私たちの日常から着物が消えて久しい。親父殿は正月の三ヶ日は着物で過ごしていたが。一昔前までは一般家庭でも寝間着に絣(かすり)模様の浴衣を着用していた。昨今ではそれもパジャマに。あえて着物といえば、若者が連れだって花火見物に浴衣で・・・程度だろうか。
日経新聞。毎月第二木曜日にアートレビュー「身近に潜む「美」の発見」のタイトル紙面がある。これがなかなかの力作。私は大好きで、毎回欠かさず読んでスクラップする。4/11付では、和服の素材として日本人を包み込んできた織物・・・「絣(かすり)」について武田健太郎さんが執筆している。
真っ白な糸の束に何百ヶ所もヒモを括り付け、藍で染める。その後、括ったヒモをほどくとそこに白い染め残しができる。糸のどこに染め残しを作るかを設計図(絵紙)で決め、それに従って括り、染め終えた糸を順番に並べ織りあげると、設計された柄が浮きでる。そんな緻密な工程を繰り返し・・「絣」は誕生する。
「絣の糸は生き物。機嫌を見ながら対応を変えなければいけない」自然の変化に呼吸を合わせ、糸に命を吹き込み。織り方にも熟練の技を加える。それでも、模様のズレや染め具合の違いが生まれる。糸が気まぐれだからである。それで生じる色や柄の微妙なづれが合わさると優しく自然な風合いが生まれる。その模様が「かすれ」てしまう・・それが、絣の語源になっているそうな。
絣の起源は6世紀。インドが発祥。琉球王朝に技術が受け継がれ、そのかすれの曖昧さが日本人の好みに合い江戸時代に各地に広がったとアートレビューは伝える。絣の着物といえば、寝間着か、モンペの生地、茶摘み娘のファッションのイメージしかなかったが、そんな伝承の歴史と熟練の技が醸し出すものとは知らなかった。新聞って凄いですね。
そういえば思い出した。我が社の大垣市にある中広ITセンターの落成(1996年)に・・・黒の紋付袴で、「敦盛」を一指し舞ったとき以来、着物をきていない。着物は文化、それも身近な美の文化ですよね。来年の正月は、親父殿の着物引っ張り出して・・過ごしてみようかな。Goto
4/11日本経済新聞
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