新聞の一面コラムに学び、できる範囲で声をあげる時です。
リベラリストの仏思想家・レイモン・アロンは・・・興隆するナチス・ドイツへの
対抗の必要を留学先の独で感じとり、平和主義から脱皮する・・・その際、力の行使が
不可避であるならば、何のために行使するのか目的を問うことを重視した・・・・
力しか信じないシニシズミスト(冷笑主義者)プーチンの戦争に対する見識です。
「用兵の害を知るを尽くこと能(あた)わずなり」孫子の兵法です。
この文言の前文に「兵は迅速なるを聞くも未だ巧久(こうきゅう)なるを
賭(み)ざるなり」・・・仕掛ける戦いに「巧久」・巧みな長期戦などないとあります。
西側の予想では2日間で首都キエフは陥落すると伝えられ、私も鵜呑みにしました。
以外とは申しませんが、ロシア軍の侵攻にウクライナ軍が各地で抵抗、
長期化の様相を呈してきました。欧米日の国際金融網からのロシア締め出しは
想定以上の効果を発揮、ルーブルが暴落し始めたようです。
孫子曰く「亡国は復(ま)た存すべからず、死者は復た生くべからず・・
故に明主(英明な君主)は之(戦争)を慎み、良将はこれを警(いまし)む」
ロシア軍全面撤退を強く求むと毎日・余禄は訴える。
ロシアの文豪トルストイ書「人道の道」・・・「人間はそれぞれ自分の裁判官を持っている。
良心がそれである」子供が砲撃の犠牲いなっても。善悪を判断できない人が軍事大国の
舵を握り、核兵器で世界を威圧する。欧米日は国際金融の決済網からロシアの銀行を排除する。
諸刃(もろは)の剣である。制裁を科す国も返り血を浴びます。覚悟はあるか・・・
トルストイはこう結ぶ・・・
「私たちが高く買わなければならないのは良心の評価だけである」
秩序と人道を取り戻すために、良心を高く買わねばならない時期がきた。(読売・編集後記)
レーニンの言葉「資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させることだ」
インフレが続くことで多くの国民が貧しくなる。社会の秩序が破壊される。
皮肉なことだが、1990年代、ソ連はルーブルの価値を失い崩壊した。
インフレと失業に喘ぐ環境からロシアを脱したのがプーチンの功績だという
ロシア人も多い、しかしウクライナ侵攻は時計の針を逆に回している。
プーチンはソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的参事」と叫んだが・・
西側の金融制裁が科せられ、ロシアに経済危機が押し寄せる、
ロシアに暮らす人々の惨事になることに気付くべきである。(朝日・天声人語)
昨日本紙に・・・ウクライナ国境近いポーランド南東部の街、プシェミシルの駅舎の
風景を現地入りした記者の取材が伝わった。戦乱を逃れた女性の叫び。もう一方、
この駅からウクライナに向かう男たちの姿、近隣国での出稼ぎを中止し祖国防衛に赴くために。
1970年に公開された映画「ひまわり」第2次大戦でソ連戦線へと赴く夫を妻が見送る
ソファローレン(綺麗でした)・・それはイタリアのターミナル駅だった。(日経・春秋)
28日現在ですが、ロシアの信用不安が急速に広がりました。
ルーブルが対ドルで30%暴落、ロシア中央銀行は、通過防衛のため
緊急時に政策金利を2倍の20%に引き上げました。
ロシア国内では市民が銀行に殺到、取り付け騒ぎが起き、反戦デモが全土に広がっています。
日本の新聞各紙が一面のコラムで様々な故事を引いてプーチンの戦争を否定します。
果たしてシニシズミスト・プーチンに届くかどうか・・・
新聞の一面コラムから学ぶ我々も、できる範囲で声を上げる時ではないだろうか。Goto
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