匿名批判

香港・たったひとりで権力に立ち向かう記者が・・・

世界中どこでもそうだったのですが・・・騎士も武士も、紳士たる者。
誰かと対峙するときは「我こそは」と自分の氏素性を名乗ってから、
事が始まる。それが正義というものでした。名も名乗らずに、相手を誹謗・中傷する輩を卑怯者と言って「人間のクズ」扱いされたモノです。

デジタル社会、とりわけSNSや通信サービス利用者で「匿名」で発信する人が多い。匿名があかんとは申しませんが。しかし、誰かを傷つけるような内容の場合は、匿名はあかん。「卑怯」だ・・そう思いませんか。

総務省は、通信事業者に対して、誹謗中傷した投稿者の通信履歴を6ヶ月は
保存するよう求める方針を決めた。私に言わせれば手ぬるいと思うのだが、
被害者にとっては大きな前進である。なぜなら、誹謗中傷された側が「法的に訴える」ための証拠が残されているからである。

「とんでもない誹謗中傷を受けた」・・・匿名だ。どうする。
投稿者を特定せねば争えない。そのためには裁判所に「発信者情報開示命令」を申し立てねばならない。SNS事業者などのコンテンツプロバイダーに、問題の投稿に関するIPアドレスの開示を求める。並行して、投稿者が利用した通信事業者に契約者情報を開示させ、本人を特定せねばならない。

しかし、申し立てをしてもデータが削除済みとされ、泣き寝入りするのが大半である。だから、業者に保存期間を義務付ければ、開示に至るケースが増え、「投稿者の特定につながる可能性が高くなる」そうです。犯罪者を野放しにする率が低くなるってこと。犯罪を防ぐのは行政として当然であろう。至極当然な総務省の「通信履歴の保存」を求める方針だ。

私に言わせれば、なぜ、こんな当たり前のことにモタモタしているのか。
即刻・義務化すれば良いと思うのだが・・・躊躇する理由は二つ。一つは表現の自由を脅かす。そうなのです。民主主義って奴は、何を言っても良いのです。
名誉毀損だと思えば勝手に争え・・・ってことで行政が関与する立場にない。

もう一つは通信業者にとって、作業量が増加、設備投資のコストが大幅に掛かる。通信料金などに反映せざるを得なくなることで、通信事業の健全化を妨げるからです。そうなのです。卑怯者を許さないという概念は行政にはないのです。
総務省なんてそんなモノだ。

でもです。これだけは知っておいた方が良い。
「天網恢恢疎にして漏らさず」たかがSNSを利用して、自分のケチな鬱憤を満足させ誰かを誹謗中傷して、悦に入っていると・・・そんな輩は、権力がその気になれば、直ぐにバレて捕獲される。それがネット社会だ。

香港・中国に返還され28年。
香港の新聞各紙は・・多数の企業が中国への忠誠を示す祝賀広告で埋まった。
特に中国政府系の「大公報」には広告特集の「別刷り」が4冊も挟み込まれ、
通常の4倍の厚みになったとか。権力に靡く姿だ。

でも、たった一人でネットメディア「ReNews」を運営する事業者は権力の圧力に屈せず実名で情報を発信している。「自分のリスクは自己責任で管理できる。仲間を巻き込む心配もない」「当初考えていたよりは、長く生き延びることができてる」と語る。

そうです。長く生き延びているとは「いつ逮捕され牢獄にぶち込まれ、拷問を受けるかも知れない」死と背中合わせだ」それでも反体制を貫いている。
「名を名乗って」権力に立ち向かう・・・ってことは命懸けなのである。
それが権力と対峙することだ。

人の悪口や批判をする輩って、なんの覚悟もない。こんな輩に振り回される日本人って、いったい何なんだろうねぇ?Goto

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