7000万人が働く国だ。
少子高齢化、人口減少。この国が抱える最大級の課題であることに異論はない。人口が減れば、経済は縮み、地域は衰え、社会保障は重くなる。悲観論が語られて久しい。
だが、ここにきて一つの確かな事実がある。
労働人口が7000万人を突破したのだ。
総務省の労働力調査によれば、就業者と失業者を合わせた労働力人口は昨年11月に7033万人。7か月連続で7000万人を超え、年平均でも7004万人と、前年比40万人超の増加となった。人口減少局面にありながら、働く人は増えている。これは紛れもない現実である。
牽引役は女性だ。一年前より46万人増え、45か月連続で前年を上回った。物価高による家計防衛、最低賃金の上昇、そして長時間労働是正による就労環境の改善。理由は複合的だが、要は「働ける条件」が整いつつあるということだ。
さらに注目すべきはシニア層である。65歳以上の労働人口は男女計961万人。1995年の445万人から、30年で2倍以上になった。65歳までの雇用確保、70歳までの就業努力義務。制度の後押しと企業側の工夫により、経験と知恵を持つ人材が現役で活躍している。
外国人労働者も増えている。コロナ禍後、二年連続で二桁増。日本の現場は、静かにだが確実に多様化している。
にもかかわらず、政府系の推計は現実に追いついていない。労働力人口は頭打ちになるはずだった。だが実績はそれを超えた。働き方の多様化を捉えきれないデータの上に政策を積み上げれば、社会の歯車が狂うのも無理はない。
私はかねて「働き方改革は、働かない改革ではないか」と批判してきた。
だが本質はそこではない。正確な現実認識の欠如こそが問題なのだ。
働く女性、働くシニア。
従来の「65歳まで・男性中心」の労働観は、すでに過去のものとなりつつある。社会保障や税の壁を取り払い、柔軟な働き方を広げれば、労働供給はまだ伸びる。世界に冠たる高齢化社会・日本は、成長の余地を内包している。
日本社会を支えるのは、労働である。勤勉な労働力である。
それが王道だ。そして、それを支える主役は、女性であり、シニアである。
働くことを嫌う若者に背中を見せてやろうじゃないか。力強く働く姿を。
日本人も、捨てたものじゃない。
さあ、働こうではないか。御同輩。Goto


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