百貨店

「そもそも論」に立ち帰って、考えてみる必要があります。
高島屋とH2Oの結婚話が破談になった。さてさて、百貨店業界はどこに向かうのでしょうか・・・。
子供のころの楽しみ、母に連れられ・・・岐阜柳ヶ瀬のデパート丸物。9階建て、岐阜一番のノッポビル。
今でも、屋上遊園地、足で漕ぐ自動車にどうしても乗りたかったことが思い起こされます・・・・。檻のような防御柵から、眺めていた岐阜の街や金華山に心奪われたことも。7階の食堂・・・お子様ランチのオムライスに日章旗が、食べたいとすがったことも、丸物百貨店と聞くと胸がキュンとなります。
岐阜市のシンボルだった丸物が近鉄に吸収され、その近鉄が潰れ・・・・跡地は中日新聞岐阜支社に。
それ以前ですが、徹明町の角にあった丸宮デパートが、メルサに、そのメルサも今では閉鎖され・・・。
新岐阜駅前にあった山勝デパートもパルコに買収され、そのパルコも空き地に・・・・。
駅デパート名鉄岐阜店も、壊され・・・今は惣菜中心のスーパーに・・・。次々と消え・・・。
百貨店で、消費の夢を見させてもらった最後の世代なのかも知れませんが・・・・。
阪急・阪神と高島屋の統合が破談になったニュースや東京有楽町駅に近い西武が、京都の一等地四条河原町の阪急等次々と百貨店が閉店するのを聞くと単純に割り切れない・・郷愁に駆られます。
でも、売上高が前年比で10%強下げる百貨店が続出・・・昔の名前ではモノが売れない。急激な流通業界の変化に対応できなかったのですから致し方がないことだと思います。
県都岐阜市で現在、百貨店は柳ヶ瀬で孤塁を守る岐阜高島屋のみです。その高島屋、これが無くなっては、余りにも淋しすぎると、時々立ち寄ります。先月の日曜も6階の紳士服売り場でスーツをオーダーしたのですが、お客の数より店員の方が多い・・・。
(還暦を過ぎたおっさんが、季節の変わり目にスーツを新調する店がないのです。若い人向きにはロード店がありますが・・・。高島屋のオーダーは意外に値打ちで、おっさんの体型に合わせてくれるので、重宝です)
頑張って欲しいのですが、岐阜高島屋、何時手を上げても不思議な状態ではないと思います。人口42万人。県都・岐阜に百貨店は必要ないのか?地方の百貨店と言うビジネスモデルはもはや、成り立たないのか?
そんな筈はない・・・と思いつつも考えさせられます。百貨店とは何なのだ?なぜ、百貨店が誕生したのだ?発祥の原点(江戸時代だと思います)に立ち帰れば、その価値や使命が分かるのではと・・・。
時代が如何に変わろうとも、流通のシステムが変わろうとも、、人間の生活はそんなに変わるモノではありません。必要のモノは残りますし、不必要なモノは、如何に抗っても消えます。私は、江戸時代の商人が原点となっている百貨店が不必要な代物になったとは思えません。
百貨店の歴史で、どこかで?いつの頃か?詳しくは分かりませんが、多分成長期だと思うのですが傲慢になり、「そもそも論」を忘れて、流通業の本質を捨ててしまったのではないでしょうか。
青臭いかもしれませんが・・・日本の経済が急速に縮み。ネットの普及で社会の仕組みや様式が急激に変わる時代。百貨店だけではありません。すべてのビジネスが成り立たなくなっています。百貨店の衰退は他山の石ではありません。
自分の仕事も、「そもそも論」に立ち帰って「自分が関わる業種」を考えて見る必要があるのではないでしょうか。まずは、岐阜高島屋に頑張れと・・エールを送りながら。                                                                              Goto

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