大相撲秋場所、横綱大の里、師匠の見上げる土俵で。
私のブログで十年以上続けている「大相撲優勝者占い」。これまで一度も当たったことがなく、読者の皆さんにはその外れっぷりを楽しんでいただいてきました。
ところが今場所は、「当たったね」と珍しいコメントをいただきました。
うれしくなりまして、秋場所を振り返ってみたいと思います。
本命に挙げた横綱・大の里が、安青錦との相星決戦を制して優勝。私の予想が当たりました。大の里は12勝3敗、安青錦は11勝4敗。大の里にとっては、六場所ぶり六度目の優勝です。
優勝インタビューのあと、土俵下で涙をぬぐう姿が印象に残りました。横綱として背負う重責は、私が思う以上に大きかったのでしょう。左肩のけがについても、つい「横綱なのに休むのか」などと簡単に言ってしまいましたが、相当な痛みだったのかもしれません。肩の故障で苦しんだ師匠の二所ノ関親方、元横綱・稀勢の里の姿も重なります。よくぞ復活してくれました。心から敬意を表します。
対抗に挙げた安青錦も、見事な相撲でした。足首の故障を抱え、序盤の三連敗から立て直して、最後まで優勝を争いました。低い立ち合いから前まわしを取り、頭を下げたまま、じわりじわりと自分の形に持ち込む。言葉だけでなく、自分の相撲を身につけた大関です。まだ二十二歳。戦火に苦しむウクライナを思うと、彼が優勝争いを演じたことにも、ひときわ胸を打たれます。
今場所、私が驚いたのは新関脇藤ノ川です。二十一歳の小兵ながら、十一勝。動きが速く、全身から気迫が伝わってきます。体の大きさだけが力士の値打ちではない。来場所も活躍して、さらに上を目指してほしいものです。
関脇熱海富士も八勝を挙げましたが、上位との対戦では苦しみました。大きな体でぶつかったあと、どう自分の形をつくるか。前まわしや上手を取る相撲を磨けば、もっと強くなるはずです。安青錦のように「熱海富士の相撲」を確立するには、まだ稽古と工夫が要るのでしょう。
大関琴桜は九勝六敗。期待が大きいだけに、もっと厳しさを見せてほしい。大きな体を生かして上手を取る相撲を磨き、おじいさまの横綱・琴櫻に続く存在を目指してもらいたいと思います。綱取りが期待された霧島の懸命な姿には、いつも頭が下がります。私が期待した伯乃富士は五勝十敗と、力を出し切れない場所になりました。来場所の巻き返しを待ちたいと思います。カッカせずに。
美の海(33)の充実ぶり、来場所は三役昇進、努力の人ですね。春日井市出身の藤凌駕の表情のよさ、そして朝乃山の十勝にも注目しました。朝乃山には、経験と相撲のうまさを生かして、もう一度上位で戦ってほしい。藤凌駕には、来年の三役を目指してほしいと願っています。
相撲の魅力は、土俵の上で力士が真剣にぶつかり合うところにあります。大栄翔の、ひるまず当たり、突っ張り続ける相撲にも、そんな潔さを感じます。今場所は負け越しましたが、また上位へ戻ってくる姿を見たいものです。
相撲は日本の伝統文化であり、力士一人ひとりの生き方が表れる人間の勝負でもあります。けがや体格の差、連敗に苦しんでも、稽古を重ね、自分の相撲を磨き、最後にチャンスをつかむ。大の里の復活も、安青錦の粘りも、藤ノ川の躍進も、それを教えてくれました。
十年以上外れ続けた優勝者占いが、今場所は本命・大の里、対抗・安青錦。読者の皆さんに「当たったね」と言っていただき、私も思わず「やった!」。さて、次の初場所はどうなりますか。占いは当たっても外れても、やっぱり大相撲は面白いですね。Goto


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