菊と聴

毎朝、香を焚いてます。
人にはその人の「におい」があります。若い娘さんがおじさんは臭いから、近寄らない。といった話を聞きますと、悲しいく思います。香りは崇高なものです。匂いも臭いも、たしなみたいものです。
「におい」は、あの人は広告屋の臭いがしますね。とか、貴殿は家庭の臭いがしませんね。とか、この花はいい匂いがするとか。二つの使われ方をします。
国にも「におい」があります。終戦の折、進駐軍から、日本は糠味噌臭いとか、たくわんの臭いがすると云われたそうです。漬物は日本食になくてはならない、香の物。文化です。臭いも匂いも香の文化であると思っています。
鼻は「におい」を感じる器官ですが、感度の良い人は鼻が効くといいます。私は、毎朝、会社の自室で、堀川を焚きます。堀川とは香の商品名で、通称「お迎え香」といって、「千客満来」を願い、料理屋等客商売の店先で焚かれます。我が社も堀川の香りにあやかりたいとの思いで焚いてます。
季節にも「におい」があるような気がします。秋には秋の「におい」です。それを感じるのは、田舎住まいだからでしょうか?鼻が効くからでしょうか?香は、「におい」を、嗅ぐのではなく、「香を聴く」と云うそうです。君の「におい」はどんな「におい」か?と、問われれば、ほのかに匂う「菊(聴く)の香りかな」と、答えられる。そんな、おじさんになりたいものです。
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