忠臣蔵考

京都の料亭「一力」、懐かしいね?
人の考えは様々、ましてや、歴史上の出来事となると、その解釈は千差万別。今日、14日は天下太平の世を驚かし、江戸町人の人気をさらった赤穂浪士討ち入りの日。忠臣蔵を考察してみたい。
赤穂浪士の「赤穂」は振り仮名を付けると「あこう」なのか「あこお」なのか?「アコー」の「コ」の字を長音と考えれば「あこう」と書く。旧仮名づかいでは「あかほ」だそうだ。?????日本人の心根も難しいが、日本語も難しい。
忠臣蔵が現代も日本人の心の底に染みるのは、忠君愛国の思想を推奨しながら、思想を貫けば、お上は理不尽な裁きをする。「てやんでぇー」。世の中で真面目に頑張っても、強い奴ばかりが良い目。弱者はいつも報いられない、そんな虚しさに対する憤り。
勧善懲悪な思想に、四十七士切腹の結末。虐待された側が反撃、悪者を亡ぼし。墓前に勝ちどきを上げ大願成就。「やったじゃないか」。しかし、やっばり弱者は報われず、全員死罪の悲しい末路。長い冬を耐えて咲いた桜が、一瞬の喜びも束の間、散る、得も言われぬ、儚さ。
それに、浪士達の葛藤。忠君と裏切り。信念と放蕩。親子の情。叶わぬ恋。殺伐とする現代社会で、ややもすると忘れそうな日本民族の心を呼び戻してくれる。外国の古典や事象に造詣を深めるのもよいが、真の国際人ほど、日本の心を知るという。
市井のおっさんとしては、鬱積した江戸町民の怒りと不満を代弁し、潔く散った赤穂浪士と、隔靴掻痒の現代社会とがダブる。たかが忠臣蔵、されど忠臣蔵だ。そうそう、赤穂の仮名づかいだが、「あこう」なのか「あこお」なのか、それとも「「あかほ」か。
金田一先生によれば、現代仮名づかいでは「あこお」が正解だそうだ。そういえば、京都の料亭「一力」に四十七士の菩提が祀られていたなー。料亭も随分ご無沙汰だ。下手な一首。
本懐に血糊をぬぐい雪踏みて君待つ墓標に参じけり。              Goto

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