暗い湖

水利権、怨念の温床。
徳山ダムほぼ満水。
今朝の中日新聞の一面、暗く沈んだ、日本一の人造湖の写真が掲載されてます。
構想から50年余り。今更、反対だとか、おかしな話だとか。言ってもせん無きことですが。
国家の都合に翻弄される、住民、水を巡る暗い歴史に思いを馳せます。
466世帯、1500人が、生木を裂かれるように、
金で横っ面を張られ、追い立てられ、水没した徳山村。
当初は、多目的ダムとして計画されたはずなのに、発電の施設はない。
水道水や工業用水を取り込む設備もない。
いまでは、その目的を、流水の正常な機能の維持。洪水の調整という。
それならば、浜名湖の2倍の規模が必要か?といいたくなる。
戦後復興の中、ダム建設の目的は、利水にあったと思う。それはそれで、時代の要請だった。
しかし、歳月は、いつしか、「造ること」を目的化してしまったようだ。
お役所の仕組みはよく理解できないが、このことだけは知っておきたい。
総事業費3500億。そのうち、水道などの利水分の建設費用1500億。
本来は、電力会社など、需要側の企業から徴収する予定だったが、その計画は崩れた。
ではだれが、その額を負担するのか?計画に同意し続けた自治体が負う。
つまり、そのツケは、私たち住民が負担することになる。
まだある。徳山ダムの揖斐川水系での利水需要が少ないならば、
長良川水系へ水移動させる用水路建設が900億の予算で計画されている。びっくりだ。
役人ほど、学習能力に乏しい人種はいない。この水路計画も、ほっとけば、
利水から、環境問題にと、すり替え、渇水対策だ、と、強弁し、強引に推進するだろう。
このエリアに、往年の経済成長が望めると言うのか?
用水路建設費、そのツケも、私たち住民が負わされるに、違いない。
暗い徳山ダムの写真を見ながら、
江戸時代、水を巡って、住民が争い。人柱が何本もたった歴史がこの国にはある。
その人たちの怨念が、ダム問題なんだろうか?
そんな、暗い思いがよぎる。
利水よりも、利権を縛る。そんな水利権に拘る明治憲法時の法律がまだ生きていると言う。
それを、解除すべきではないかと。首を傾げています。
                            Goto

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