今日のパンよりも明日の夢を食べる。
あなたはどう思われますか?
私は大賛成なんですが。
尾張、美濃地方は、城の多い土地柄です。岐阜市周辺にも、岐阜城をはじめ、加納城(跡)、大桑城(跡)など戦国の世から江戸時代に、兵どもが走り回った痕跡を残しています。
私は、自宅から岐阜城が望め、毎朝合掌します。出張などで、岐阜から出る折、戻る折など、岐阜城を眺め、「良し行くぞ」とか「ただ今戻りました」とか思わず会釈します。
私と岐阜城、何の縁もあるわけではありませんが、物心付いた頃から、岐阜には金華山があって、その頂に岐阜城がでんと構えている。それは私の身体の一部のような存在です。
以前、その岐阜城の屋根瓦の葺き替え工事で、市民が瓦を購入し、頂きまで運ぶ催しがあり、大いに盛り上がった記憶があります。確か、築城450年の記念イベントだったと思います。
お隣ですが、名古屋のシンボルといえば、家康が築城した名古屋城。「伊勢は津で持つ、津は伊勢で持つ。尾張名古屋は城で持つ」と伊勢音頭にも歌われています。
その名古屋城の本丸御殿復元工事が着工されました。総額150億円を投じるそうで、今すぐ必要でない。とか、大不況下で時期が悪すぎるとか、批判の向きもありますが、私は大賛成です。
豪華絢爛な文化は、歴史的には強大な権力が富を集積して築き上げてきました。中国4000年の歴史をみれば明らかです。現代社会は富と権力が一体になることはありませんので、この種の建築物を建設するのは、相当な関係者の熱意が必要です。
元の本丸御殿は安土桃山時代から江戸時代に掛けて造営された近世城郭御殿の傑作で1930年に国宝に指定された歴史もの。45年の名古屋空襲で天守閣とともに焼失したそうです。
それを復元させるというのですから、戦国の世の再現でもあります。気になる予算の出所は、愛知万博の剰余金10億を原資に国と県が3分の2.残りを市民の寄付で賄うと言います。
すでに40億が集まっていると聞きます。権力の主権者である市民が浄財を寄せ合い、地域のシンボルを復元、活性化の起爆剤にする。その発想、何となく重い雰囲気の時代だからこそ、価値があると思います。
17年度の完成だそうですが、寺社仏閣に携わる全国の職人が腕を競うのでしょう。反対には反対の理由があるのでしょうが、「今日のパンよりも明日の夢を食べる」のも一考ではないでしょうか。
日本文化の粋を集めた建築物が、市民のシンボルとして復元されることに、
心より敬意を表すとともに、「尾張名古屋人の心意気に」感服する次第です。
完成がとても楽しみです。
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