合掌造り

「心が和む春」のような日本の原風景に思わず手を合わせたくなります。
岐阜市の中心にデンと構える金華山に、霞がかかりました。春はそこまで・・・訪れを告げています。
先日、岐阜県が誇る世界遺産・白川郷を遠来の友人夫妻と尋ねました。
雪が舞う日でしたが、無風だったせいなのかもしれませんが。豪雪地帯、激寒の地のイメージほどは、厳しさが感じられませんでした。むしろ、水路に泳ぐ鯉やマスに、水温む春を感じました。
白川村には江戸中期から昭和初期に建てられた合掌家屋大小合わせて約160棟が現存し、世界遺産の認定を受けた萩の集落には113棟があるそうです。
偶然なんでしょうが、23日付けの朝刊、読売と朝日が、合掌造りを話題にしています。日本の原風景を守る同じテーマでも、新聞社のカラーによって、こうも視点が違うのかと、面白く読みました。
読売は、「売らない。貸さない。壊さない」の三原則を守ることによって、白川郷萩町集落の自然環境を守りたいとする保存会の熱い思いを語る記事。
朝日は、太い柱を使う合掌家屋は「地震に強い」と思われているが、実は根拠のない話。世界遺産白川郷合掌造り保存財団の依頼を受け東大の研究グループが耐震性を調べている記事。
私が、合掌家屋の古老から聞いた話は、家屋の向きはすべて同じ、北風を避けるため。屋根の角度も、構造も同じ。豪雪に耐えるために編み出された先人の知恵。
それに、木組みの技に組み込まれた、縄の締め方、弦の張り方、軋みに対する遊びの構造も、計算されて造られている。勿論、地震の心配などしたことがない。あるのは、火事だけだと。
村の資料では、1858年の地震では家屋が倒壊したとの記録はないという。
備えあれば、憂いなしです。耐震の調査も必要でしょうが、現行法の耐震規定に違反していたら・・・・。
鉄骨を組んで耐震化工事でもするのでしょうか・・・・・。
研究するのは大事なことですが蛇足の感は免れない気がしますが・・・。
どうも、この耐震診断。「白川郷萩町集落の自然を守る会」と「世界遺産白川郷合掌造り保存財団」。朝日と読売との微妙な関係と似ているのではないかと記事を読みながら、ふと、思ったのですが・・・・・・・・。
「合掌造り」は、両手を合わせた形から名付けられたと聞きます。「心が和む春」のような日本の原風景に、観光客が思わず手を合わせる。そんな、場所であり続けて欲しいと願います。
                                            Goto

コメント

  1. Goto より:

    コメントありがとうございます。
    もう、45年も前になります。岐阜関カントリー倶楽部のオープン当時、白川村から移築した合掌造りの家屋が二棟ありました。当時の発想では画期的で、お父さんはゴルフ。家族は遊園地で遊ぶ。ゴルフが終わったら、合掌造りの家屋で食事をする。宿泊も可能でした。おっしゃる通り、そもそもが、移築可能に設計されているようです。蘊蓄あるコメントありがとうございます。
                   Goto

  2. ナガラ より:

    私が聞いた話では、合掌造りの家は最後の手段として、あえて倒壊するようになっているということでした。
    あの豪雪地帯ですから、降雪も半端な量ではありません。
    一夜で1mの積雪は当たり前で、それこそ何トンという雪が一度に屋根を覆います。
    その荷重に建物が耐え切れなくなった時、合掌は倒壊するそうですが、縄や蔓で結わえられているためそれらが先に切れて、大切な柱や梁(骨組み)は生き残ります。
    その後、翌春に再び建て直される…。
    つまり究極のプレハブ建築で、地球に優しいリサイクルハウスとも云えそうです。
    このことは、白川の廃村になった部落の合掌の多くが、各地に移築され残っていることからも解かります。
    地震に対してはどうなっているのか良く分かりませんが、しなやかな古人の知恵を聞いてみたいものです。

  3. ぽち公 より:

    ドライブへ行ったときに、おもしろい話を聞きました。
    そろそろ吸収合併される地の海沿いに金属で出来た塔があり、美川 県一の・・・でしたでしょうか。。。
    書かれていました。
    ミカワケンイチさんに掛けて。そして、許可を得ているそうでサインが小さくて見えませんが張られていました。
    面白いのは、かなりの年数が経っていて、清掃もないにもかかわらず、海の潮風にも負けず、とても綺麗でサビすらないのです。
    とても不思議でした。吸収合併の為、その不思議な塔は無くなってしまいますけど。。
    ふと、思い出しました。
    でも、全ての疑問は科学で分かってしまうものなのでしょうね。