新聞衰退に思う・・・

そんなに残された時間があるとは思えないのですが・・・・
新聞衰退の原因を考えて見たいと思います。理由は新聞のビジネスモデルが壊れていることに関係者の危機意識があまりにも感じられないからです。有能なジャーナリストたちも自分のこととなると見えないものですから。
新聞の衰退とは・・ひとえに、購読者の減退を指します。
私は、その理由を新聞内容の希薄化だとか。記者クラブに頼る記者の怠慢だとか。批判を恐れるあまり事なかれ主義の紙面に陥っているとかは理由ではないと思っています。
二つあります。一つは、国民すなわち、読者の側のライフタイルが高度成長以降一変したことに気付かず、百年一日が如く・・・そうです。厚労省の国民試算とまったく同じで、家庭とは、朝親父が新聞を読みそれを・・子供が見守りながら朝食を取る・・・
夫と子供を見送ったお母さんは・・食事の後片付けと掃除を済ませ・・やわら新聞を広げて読む。学校から戻った子供は・・・夕刊でテレビ欄を見て・・・仕事から帰ったお父さんは、朝刊のスポーツ欄を確認して、ビールを飲みながらプロ野球のテレビを・・・。
そんな家庭のイメージのまま(自分達の家庭もそんなことになってはいないのですが。それを自分達だけは新聞人で特殊だと思いこんでいる)新聞を作り続けている。
実態は、情報のツールがPCとモバイルに・・・それもアイフォンやスマートフォンに変わってしまっているのにも拘らず・・・新聞だけは・・・そんな情報ツールが無いが如く。その結果。購読家庭が減少してしまっていることに気が付いていない。
二つ目は・・・・購読料金です。個人であれ家庭であれ、情報の収集に投資できるコストは限られています。新しいツールが入りこめば、旧態然としたツールがはじき出されるのは必然です。そうです。競争が激化すれば、価格を下げなければ生き残ることはできません。
にも拘らず・・新聞の購読料は、如何なる情報ツールが自らを脅かそうが、我感ぜずで、購読料を上げると言う、ビジネスでは考えられない安易な方法を取る。そうすれば、購読しない人が増えるのはビジネスのイロハです。
賢明なる新聞関係者は・・そんなことは分かっているとおっしゃるに違いありません。では、分かっているなら「何とかせいや」と申し上げたい。多分、解っているんだが・・・今のままでも・・・まだまだ大丈夫・・お前如きに言われたくない・・・のが本音でしょう。
でも、読者は・・・待ってくれません。イソップ物語の「池の死滅はいつですか」にあるじゃないですか。
30日で藻が池を覆って死滅する。日に倍々と藻が池を覆うとすると、池の半分を藻が覆う日はいつでしょうか・・・答えは29日目です。
新聞の置かれている現状は・・・まだ池の半分しか覆っていない藻かもしれません。しかし、死滅までの残された時間は・・一日しかない・・・。衰退に解決策を持つ・・新聞命の私としては、何とかしたいと臍を噛んでいます。     Goto

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