蓮見清一さん

この世に不況などありはしない。
出版不況、雑誌不況・・・1996年に2兆6564億の販売額が09年には2兆円を割り込んだのですから、出版業界がそう呼ばれても、仕方がない現状ですが、かと言って、2兆円近い市場があるのですから、全ての出版業者が不況の煽りを受けている訳ではありません。
業界で常に新風を巻き起こし一人気を吐く「宝島社」の蓮見清一社長のインタビューを目にしまして、なるほど、と、勉強になりましたので一言。
経営者に、伸ばそうとする意志がなければ、売上を伸ばすことが出来ない。そうですよね。まずは志ですよ。志のない会社に将来があるはずはありません。
急速に売上を伸ばす武器は最も落ち込みの著しい雑誌が良い。「一番誌戦略」を掲げ、各世代向けの雑誌で一番を目指した。一位になれば売上も、広告収入も増大する。単純だが明解です。
そのために、マーケティング手法を取り入れた。価格、流通、プロモーション、商品この四つの要素を研究した。これまでどの号も同じだった女性誌の価格を毎号変化させた。その号の中身を見て、いくらなら読者に受け入れられるか、真剣に読者と向き合った。発想の転換ですよね。
話題の電子書籍についても、「黒船襲来」と何をバタバタ焦っているのか。日本の書籍販売の環境、風土を考えれば、電子販売が合理的な購買行動なのか疑問に思っている。日本独自のビジネスモデルの確立が必要と、両断。と、語りながらも、秘策を練る、経営者の強かさを感じる。
不況克服の原因は読者や時代背景にあるのではない。デフレスパイラルに陥って、業界全体が縮み上がっているから。電子書籍にうつつを抜かしていないで経営改善を急げ、と、業界には辛辣。自信の裏づけでしょう。
蓮見社長の弁に、この世の中に不況などありはしない。あるとしたら、その市場が消滅した時と、無能な経営者が経営にしがみついていることに他ならないと、理解しました。
機会があればお目に掛かり、ご指導を受けたいものです。 Goto

コメント

  1. 夏原健次 より:

    いつもお世話になっております。
    皆様のご健康としあわせとご発展をお祈り致します。