月刊誌「世界」

コレぜーんぶ、本屋さんで買えます・・・・
子供心に親父殿が深夜まで岩波書店の月刊誌「世界」を読んでいたのを覚えていす。・・・・。集合住宅の一部屋・居間兼客間兼寝室の6畳間に数ヶ月分の「世界」が積んでありました。勿論、ペラペラ捲っても・・難しくて理解はできませんでしたが・・・・
憲法9条護持を掲げ、戦後民主主義の言論を主導した岩波書店の「世界」。私が週刊「朝日ジャーナル」を読むようになったのも。学生運動に走ったのも元を正せば、親父殿の「世界」に影響を受けたのかも知れません。
その岩波書店がこの8月で100周年を迎えるとのこと。
星一つが50円。星一つの「資本と労働」を読んで、いっぱしのマルキストだと、学生運動に加わった猛者もいましたが、世界の古典を安価に提供してきた岩波書店は「日本人の知の基礎を築いてきた」代表格の出版社でしょう。
日本の出版業界は書店返品制度ですが、岩波は例外的に返品を認めぬ「注文買い切り制」を取る唯一の出版社。強気の商法だが本が売れない時代、さてさてこの制度をいつまで維持できるか。朝日の記事によると昨年3月の売上は175億円。5年前の1割減で利益は2300万円。従業員も360人から200人激減しているそうな。
私の本棚に「世界」はないが、机の上には「広辞苑」が鎮座している。
100周年を節目に「知の基礎を築く出版社」岩波書店が、どのように変身するのか楽しみです。頑張れとエールを送りたい。
出版社で変身の王様は、何と言っても「宝島社」・・・昨今では本のおまけ(付録)を拡大して・・・おまけ(付録)を売ってついでにおまけ解説本を売る新手の商法をスタートさせた。
「コレぜーんぶ、本屋さんで買えます」(写真参照)・・・何とも凄まじい出版革命です。
さてさて、出版界の変遷に・・・岩波は知的関心の高い層だけでなく、明日どうなるか見えない苦しい立場の人が涙を流したり生きる希望を与えるそんな本を作りたいと100周年に意気込んでいるそうですが・・・私的には岩波は岩波らしく・・頑なに「世界」が存在感を示す月刊誌作り続けて欲しい。その努力を惜しまないでと願う。Goto
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6/8読売新聞

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