登竜門

新聞のおかれている現状を知らずして新聞広告を作るべからず・・・
我が社の原点は新聞広告です。限られたスペースで如何に読者を奮い立たせる広告を描くのか。奮い立った読者が行動に走るのか。心を揺るがすのか。毎年、広告制作を目指す学生や若手のクリエーターから新聞広告作品を募集する「読売広告大賞」(新人の部)が発表された。(写真参照)
今年はスペース条件を上限15段(全ページ)と限定。(去年までは見開き30段まで良かったのかな)最高優秀賞はそのまま(実寸)で紹介する。新聞記事よりも面白い新聞広告をとの選考委員長の肝いりで応募され、協賛59社の課題に対し、1593点が寄せられた。(昨年と比較して多いのかどうかはわからないが)
新聞に掲載された最優秀賞と優秀賞以外の入賞作品をネットで拝見。この賞は若者の登竜門。広告代理店のクリエイターの腕試しでもある。力作揃いですが、プロのアドマン(アドジジィ)として感想を述べれば、選者はずいぶん、苦労したのではないかと、拝察する。
なぜか。クリエーターたちが日々新聞と真剣に向かい合っている姿が浮かばない。訴求対象が新聞の読者であるとの意識に欠けている気がする。昨今の読者は、惰性や義理で新聞を購読していない。新聞の持つ情報価値に期待して、毎朝新聞をめくるのである。
広告はややもすると、大向こうに受けるような奇を衒うことに腐心する傾向にある。チラシやポスターにはその傾向が強い。しかし、新聞広告はそうではないし、もはや、そうではなくなった。読者の知的欲求を満足させるもの。つまりは読者とスポンサーの知的葛藤が要求されている。その点に配慮する真摯な姿勢が望まれる。
昨今の新聞編集者の努力。購読部数減少に歯止めをかけたいと必死の編集者の熱意に負けてはならじ、そんな真剣さがないと、新聞広告が記事に優ることはないし、読者の心も動かさないであろう。極論かも知れないが。新聞のなんたるかを自ら論ぜずして新聞広告を作るべからずである。
その意味で、名だたる選者諸氏は大変苦労して選考したと拝察する。
来年は、新聞に学べモットーとする我が社の若きクリエーターに出品してもらおう。Goto
IMG_1199.jpg
6/11読売新聞

コメント