ストロー化現象

祝・東海道新幹線開業・・・50周年。
ストロー化現象ってご存知でしょうか。瀬戸内海に本四架橋ができますと、四国を訪れる人が増えると四国側では大喜びしたのもつかの間。博多から鹿児島まで、九州新幹線が開通したと関係者がもろてを挙げたが結果は・・・人の流れが真逆・・・
上越新幹線も山形新幹線も、地方に恩恵をもたらすと・・・期待は大きかったのですが。蓋を開けて見ますと、人の流れは東京に吸い上げられてしまう。新幹線だけではありません。高速道路も、空港も、地方が便利になればなるほど、より大きな都市へ人々は流れます。
お互いが補完し合えば、メリットを共有できるのですが、一方的に大都市に流れる。それがストロー現象です。そんなことは東海道新幹線が50年前に開通した時から、大阪衰退の要因としてわかっていたことです。それでも、便利さとスピードを求めて、新幹線も高速道路も作り続ける。
公共事業には、疲弊する地方に仕事を創出する効果があり、一概に否定はできませんが。その実態も結局は東京の大手企業に吸い上げられて、地方はおこぼれを僅かに頂くのみです。それも、地方に力がないがゆえ、仕方がないのですが。それもストロー化現象と片付けるのは淋しい。
東海道新幹線が開業50周年。学生時代。超満員、指定席も買えず、乗務員に白い目で見られながら、カレーライス一杯で、2時間半。名古屋から東京へ向かう新幹線の食堂車の片隅で小さくなって、「まだ静岡か?」などと耐えてた頃が懐かしく思い起こされます。私はストロー化現象に抗って、田舎に戻りましたが。Goto
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10/1日本経済新聞

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