戦後70年です。この夏、平和の尊さを自分なりに掴んでみたいと思います。
猛暑8月。他国のことは存じませんが、日本の8月は特別な月です。いや正月の1月と並んで、特別な月にしなければなりません。6日と9日、20代後半から広告の仕事に携わるようになるまで、毎年広島と長崎を訪れていました。原水爆禁止世界大会への集会参加で。
今年は戦後70年。節目の年です。安倍首相には、「我が国は戦争の惨禍を経て、戦後、日本国憲法を基礎として築きあげられ、平和と繁栄を享受しています」と今年の2月20日に述べられた皇太子殿下のお言葉を厳粛に受け止め・・・・
変に突っ張らないで、先の戦争に対して痛切なるお詫びの気持ちを表現した談話を発表して欲しいと願います。それが戦争を知らない世代が90%を越したこの国の国民の率直な想いですから。
だからといって、現実に即応した安全保障の体制は必要です。勿論、安保法案は、丁寧な説明をして、国民の理解を得て、可決して貰えば良いと思います。 談話と法案は別物です。
日本の8月が特別なのは、平和の尊さを検証せねばならない月だからです。お盆にご先祖を祀るのも、今こうして平和な日々を過ごせるのは先達のおかげとの感謝の意がいるからです。平和を改まって意識していないかもしれませんが、お盆に家族が故郷に集い、お墓詣りできるのは家族が安寧だからです。終戦記念日の15日、正午には全国民が一斉に平和の尊さを祈り黙祷すべきだと思います。
この夏、大岡昇平さんの実体験に基づく小説「野火」が映画化されました。私も盆休みに観に行こうと思っています。「野火」とは春の初めに野原の枯れ草を焼くことです。
平和を放棄した社会は、争いごとの果てに人間として生き抜くために人間であることも放棄し「カニバリズム」をも厭わなくなる。追い詰められると「人間は人間の肉を切り刻んで食べる」、そして正気の沙汰を超え神の怒りも恐れぬ領域に入って行くという小説です。
私は最近「野火」の主人公である田村一等兵の「カニバリズム」への境地がわかる気がします。映画はこの部分だけを微妙にハズして構成されているようですが。地獄の釜の蓋も開く8月です。人間である以上、法などという人間が定めたものをはるかに超えて犯してはならない領域があると思います。
平和の尊さを理解できないと、人間はとんでも無いことを平気でやり始めます。その意味でも、8月は我々一人ひとりが永久平和を希求する月でなければならないと思います。Goto
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