ナンセンス!

文化の「文」に対立するのは「理」ではなく「武」です。
朝日新聞オピニオン「耕論」のページは実に楽しい。
今度の号、テーマは何か・・日々捲る新聞で、必ず手が止まる・・・
4/7・「文系で学ぶ君たちへ」と題した・・三氏の文系擁護論は面白かった。
学生注目!・・・何だ!
文系の学問は役に立たないから廃止しろ何てことが言われている!
・・・ナンセンス!我々は先輩の教えを聞いて、断固文系で学ばねばならない!
そんなリードで、この問題を取り上げている。
これって、全共闘時代のノリですよねぇ。
朝日には、あの時代の残党がまだ残っているのでしょうか?
あの時代の残党である私・・笑っちゃいます。
文系不要論は、文学部を指しているのではありません。
法学部、経済学部なども含んでいるのです。
大学に入学したけれども、バイトと遊戯に明け暮れ・・
真面目に学問と取り組まない学生があまりにも多い。
であれば、不要ではないか。そんな意図です。
それを文化の否定と捉えて・・文学部擁護論を展開させる・・
朝日的ではありますが・・・ピントが合っていない。
やはり、如何にすれば文系の学生が真摯に学問と向き合えるのか・・
その制度を論じるべきではないかと思う。
しかし・・・真面目に論じておられる三氏の文化論、なぞっておきましょう。
私の好きな哲学者、鷲田清一氏・・・文系の文は織物の「文」(あや)
理系の「理」は石の「肌理」(きめ)を意味する。どちらも模様のこと。
見極めようとするものは同じ・・・大学では皆が「文」を学ぶのです。
因みに「文」に対抗するのは「理」ではなく「武」。
と考えると危機にあるのは文系学部ではなく「文化」ではと。
なかなか蘊蓄のある文化論です。勉強になりました。
初めて聞く詩人・・最果タヒ氏
「さいはて」とは面白い姓です。それに素顔を公開しないんだそうで、後ろ向きの写真が。
今時顔を隠しても、ネットで直ぐに公開されますよ。格好付けすぎではと思うのですが・・
彼女の論は・・役に立たないこと、無駄なことにも意味がある、
それが文学だ。私の詩はそうだと。妙に納得ですね。ポエム的ではありません。
自虐的ではありますが。
そして、もう一人が日本文学研究家のロバート・キャンベル氏
文学とは表現やコミニケーションを研究する学問。
作者の意図するところを「問い」ながら読み解いていく。
そのプロセスから「解」を導き出す。
そこで鍛えられた感性こそが、自分を支える基盤となる。
小説好きの私としては、なるほど奥が深いと感心します。
ナンセンス!ナンセンス!と叫んでいた私・・
こんな先生に巡り合っていたら・・もう少しまともな文系の勉強を。
どうぞ、文系の学生さん、良き師と出会い・・真面目に勉強して下さい。Goto

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