対談本「書く力」に学ぶ

正しいことを言うときは、少し控えめがいい。
未熟さを痛感し、かつ、勉強しなきゃと気合いを入れました。
読売新聞の一面を下から読ませる。そこまで言わしめる名物コラムニスト・・竹内政明氏と、
稀代のジャーナリスト池上彰氏の対談本「書く力」・・・
私たちはこうして文章を磨いた・・・を読んでです。
この本、出版社は朝日新聞出版。読売の編集手帳の担当者を、
朝日新聞の出版部門が、新書600巻記念作品に登場させる。
朝日の懐の深さを思わせる大胆な企画「さすが朝日」だと感服しました。
それでも・・天声人語批判は控えめに気遣っていますが、
批判のための批判を書くための取材は甘くなったと、チクリ・・・
コラムの真髄とは、どのような発想と組み立てで書き上げられて行くのか。
座右の書にしたい逸品対談です。
新聞記事とは、人を使って、自分の主張をするモノ。なるほど。
そう読むと、記者の意図が奈辺にあるのかが、より理解できる。
社説に込められた新聞社の主張を読み解くヒントですね。
悪文退治の章で安心したことが。
一流の人は難しいことを易しく表現する。
二流の人は難しいこと難しく表現する。
三流の人は易しいことを難しく表現する。
と思っているのですが。若いころから、この人の文章って全く理解できない。
読解力のなさを嘆いていたのですが・・・・
竹内が述べているのではありません。なんども断りながら・・・
今は亡き名コラムニストの青木雨彦さんはエッセー集「夜間飛行
ミステリについての独断と偏見」の中で・・・
世の中の恥ずかしい人を俎上に載せ・・…
「大江健三郎サンも恥ずかしい。大江サンの場合は、わかりきったことを、
わかりにくく書いているのが恥ずかしい」と・・・悪文の真骨頂だと。
我が意を得たり。そうですよねぇ。
正しいことを言うときは、
少し控えめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい。
詩人・吉野弘の「祝婚歌」です。
文章を書く極意を、読売新聞・編集手帳の竹内政明さんと、
稀代のジャーナリスト池上彰さん、そして、朝日新聞出版社に学びました。
と言って、私の文章力が増すわけではありませんが。Goto

コメント

  1. レモンハート より:

    こんばんは。いきなり、僕の好きな吉野弘さんの詩が….。わかりやすい言葉で心に沁みます。久しぶりにこの詩を読んでます。やっぱりいいですね。
    奈々子に    
    赤い林檎の頬をして
    眠っている 奈々子。
    お前のお母さんの頬の赤さは
    そっくり
    奈々子の頬にいってしまって
    ひところのお母さんの
    つややかな頬は少し青ざめた
    お父さんにも ちょっと
    酸っぱい思いがふえた。
    唐突だが
    奈々子
    お父さんは お前に
    多くを期待しないだろう。
    ひとが
    ほかからの期待に応えようとして
    どんなに
    自分を駄目にしてしまうか
    お父さんは はっきり
    知ってしまったから。
    お父さんが
    お前にあげたいものは
    健康と
    自分を愛する心だ。
    ひとが
    ひとでなくなるのは
    自分を愛することをやめるときだ。
    自分を愛することをやめるとき
    ひとは
    他人を愛することをやめ
    世界を見失ってしまう。
    自分があるとき
    他人があり
    世界がある。
    お父さんにも
    お母さんにも
    酸っぱい苦労がふえた。
    苦労は
    今は
    お前にあげられない。
    お前にあげたいものは
    香りのよい健康と
    かちとるにむずかしく
    はぐくむにむずかしい
    自分を愛する心だ。