ニュース砂漠

新聞は社会の公器、新聞記者は社会の目です。
米国の話です。しかし、他山の石とせねばなりません。
米国の新聞記者は03年の5万4200人から10年後の14年には・・
3万2900人と4割も減りました。(米ニュース編集者協会調べ)
二つの大きな問題が生じています。
地方紙の弱体化による地域社会への悪影響が顕著になり・・・行政の不正が見えなくなる。
こんな酷い例が。00年地元紙が廃刊したカリフォルニア・ベル市。
10年には市の幹部らが違法に給与を引き上げ、
オバマ大統領の報酬を上回る額を手にしていた。
今でも地方の中小都市には1000を超える地方紙が存在するが、
ネットの普及で広告収入が減少、10年前の半分以下に落ち込み、
資金力の弱い新聞の廃刊、リストラが続いています。
倒産した地方紙などを格安で買収する7つの投資グループが暗躍・・・
全体の3割を所有。転売や廃刊を繰り返しています。
投資グループのおもちゃにされてしまっています。
その結果全国各地に「ニュース砂漠」が広がっています。
米国と日本は国情もメディアの生い立ちも違います。全国紙もありません。
日本には宅配制度があり、再販制度で保護されています。
全国紙とブロック紙、それにローカル紙が互いに競い合っています。
同じにはなりませんが、ネットの台頭と発行部数の減少は比例しています。
その意味では、広告収入の落ち込みも急を告げています。
16年、昨対91%です。厳しい状況が続いています。
このままでは、経営難に陥る地方紙も・・・・
そうなれば、リストラ、記者の削減に手を付けるでしょう。
記者の数が減れば、取材力が落ちます。必然的に記者クラブに流される情報で
糊塗する記事が増えます。
新聞は社会の公器です。新聞記者は社会の目です。
米国大統領の傍若無人はメディアの力が削がれたからだと言われています。
新聞の価値と役割についてもう一度考えてみませんか。
日本にも「ニュース砂漠」を作らぬために。Goto

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