連合の内紛は内紛として、秋の国会で成立させて欲しいものです。
2015年の法案提出以来、懸案となっていた「脱時間給制度」を
創設する労働基準法改正案・・・政府が連合の修正要求を受け入れ・・容認・・・
経団連も一部修正に応じ、成立が可能になったが・・・・
ここに来て、連合の内紛により容認を撤回、法案の行方が混沌と・・・
この法案、連合の「全方位外交」に綻びが生じたかのような報道がなされているが、
それは現象面、本質はもう少し根深いのではないかと思料します。
改正本案は専門職で年収の高い人を労働時間規制から外す
「高度プロフェッショナル制度」を導入すること。
狙いは高度専門職に高い年収を保障したうえで、時間ではなく成果で処遇する制度。
「柔軟な働き方の選択肢」を広げる労働基準法改正案です。
野党は制度が導入されれば「長時間労働規制の例外をつくることになり過労死の助長」となる
同時に「残業代の概念がなくなり、残業代ゼロ法案」だと反対しています。
どちらの意見が正しいのか。良く考えてみる必要があります。
私は昨今の「働き方改革」は行き過ぎではないかと思っています。
取り分け、労働時間の短縮規制は極端です。
産業構造で合致できるのは、第二次産業は可能でしょうが、
そもそも第一産業には不適合です。農家や漁師に時間規制は不向きです。
第三次産業の専門職に仕事内容を無視して、時間で一律に縛ると
生産性を上げることができません。国際的な競争力の低下を招きます。
それに、専門職とはアナリストや研究開発に携わる人であり、
年収は1075万円以上という枠があります。
労働時間も上限を極めて、忙しい1ヶ月の上限は100時間未満と定め、
他の月は80時間以内との上限規制も盛り込まれています。(連合の条件)
連合執行部が「成果型労働制度」を「条件付き」で容認したことは、
時代を見据えた、懸命な決断だと思います。それを連合内部の権力闘争に持ち込み、
「総労働対総資本」の事大主義にすり替えれば・・・連合そのものの存在意義が問われます。
経済成長のためには保守政権が賃上げに介入し・・・
非正規の時給の最低額を過去最高に押しあげる時代です。
民進党に頼れない以上は、連合が「全方位外交」により、
労働者の権利を守るこの道は正しい選択だったと思っています。
その連合執行部が求めた改正法案、
秋の国会ではぜひ、成立して欲しいものです。Goto
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