アワード

買うまでが、広告です。拡散するまでが、広告です。
年末です。この一年間を締め括る様々な「賞」が発表されています。
それに来年は5月に新天皇即位となり今年が平成最後の年、
従来の年間賞が平成最後賞とも言われ……より重々しく感じられます。
今年話題になった言葉に贈られる「2018年、新語・流行語大賞」
トップテンが受賞し……平成最後のと冠がついて「そだねー」が
年間大賞に輝きました。
決まって見れば、そういえば「今年は冬季五輪が韓国・平昌で開催されたんだ」ったと……
正直なところ忘れていました(人の記憶とは儚いモノです)……スピードスケートの小平さん、
高木姉妹、あの感動を思い起こさせてくれます。
今年の北海道、このところのインバウンドの影響で、観光産業が活気付き、
地域経済が上向いていたのに……夏には台風、それに豪雨、更には地震と
自然災害に悩まされました。
現実は「そだねー」なんて呑気に方言など使ってられない大変な一年でしたが
今年最後に爽やかなカーリング娘たちの北海道弁で締め括ることができ
憂さも吹っ飛ぶ、そんな判断もあっての大賞ですかねぇ。おめでとうございます。
流行語大賞、スタートしたのは昭和59年ですが、注目を集め今のような
年末の風物詩になったのは平成3年、大賞を決めてからです。
今年、トップテンに選ばれた、行方不明になった男児を救出した大分の尾畑春夫さん、
「私はただ当たり前のことをやっただけ」と受賞を辞退しました。
人の命に関わる話。私も「そだねー」って思います。
「ボランティア」にスーパーをつけて、真摯に困った人を助けたいという
「おっさん」の行為が流行語に値するのか。「現代の世相を反映する」遊びなんでしょうが、
近年は尾畑さんのような辞退者がでるようになりました。
平成とともにこの賞は終了しても良いのかもと思うのは私だけでしょうか。
私は若いアドマン(ウーマン)にいつも言うことがあります。
日経新聞の広告を読め。それも全ページ広告を。
理由は至って簡単で「広告は社会の写し絵」です。広告の仕事をするなら広告に学べ。
それには企業のポリシーや新たなトレンドを発信する日経の広告が良いからです。
第67回日経広告賞(2018年)の大賞はじめ受賞作品が発表されました。
これも新聞広告を愛するアドマンにとっては年末の風物詩です。
大賞に決まったのは、クボタのブランド強化を目的としたシリーズ
「壁がある。だから、行く」です。見開きのスケールの大きな広告です。(写真参照)
壁とは、世界的な課題のこと。だから行くは、課題に立ち向かう挑戦の姿勢を示す。
日本、米国、英国、韓国を舞台に、クボタの三本柱、食料、水、環境の話題を
正面から取り上げている力作です。素晴らしい広告です。文句なしの大賞です。
最優秀賞は「内閣府」のBACK TO 廃校プロジェクト。
「子供がいなくなった学校に、大人たちが帰ってきた」味のあるコピーですね。
地方創生の観点から廃校を再利用するキャンペーンです。最優秀賞妥当ですね。
もう一つの最優秀賞は、大日本除虫菊の「書くまでが、広告です」です。
5月に掲載された折、これは面白い広告だと絶賛して、ブログに。
何が面白いか。広告屋に向かって、広告って「商品みて買ってもらわんと……それは
単なるメッセージだ」「経済の敵は無関心だ」と読者を刺激し………
金鳥はゴキブリのイラストさえ不快だという消費者に応えて、
お買い求め頂いたら、外装フィルムがはがせる「脱皮缶」を開発、
パッケージのゴキブリまで退治した商品を作りました。
賢明な日経読者にはおわかりでしょう。自らが発信源となれるいま、
まさに成熟した読者の役割とは何かがーーこれほど大胆に上から目線で、
この広告を見たら殺虫剤を買え。拡散するまでが広告だから。
と読者と広告屋を刺激する。迫力満点の広告です。
スケールで大賞のクボタには敵いませんが、
私的には「KINCHO」の広告の方が圧倒的に面白い広告だと思います。
どの賞も、さすがに日経の広告、素晴らしい。読む価値ある広告です。
2018年、様々なアワードが一年の成果を誇示します。
我が社にはどんなアワードが頂けるだろうか。Goto
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12/5.6 日本経済新聞

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