ゆるっと、ゆうがに。

Aging Gracefully企画に宝島社の輝きを感じないのですが。
樹木希林さんの新書「一切なりゆき」を捲りました。
自然体とか平常心とか、いや、思いのままとか、我感せずか。
それとも自由奔放、いや、独自の哲学といえば良いのか。
何事にも「シンプル」簡単明瞭に考える。
彼女が残した言葉は、独特の言い回しだが、人生の真髄が、
そこにあるのではと、思わせてくれる。
彼女ほど役者としての演技力、個性があればこその言葉集でした。
私が好きな新聞広告は、斬新と申しますか、いつも大胆で且つ新時代を窺わせる紙面を
提供してくれる宝島社の広告です。樹木希林さんが「ガンを告知」余命が心配されていた折に
「死ぬときぐらい好きにさせてよ」(16年1/26付、全国紙4紙)の見開き広告。
企業広告、それも出版社広告としては最高傑作でした。
樹木さんが亡くなり、その後(18年10/29付、朝日)掲載された、
「あとはじぶんで考えてよ」と家族写真とともに語るコピーも衝撃的でした。
同日に読売にも「サヨナラ地球さん」とアインシュタインばりに舌を出した笑顔も
樹木さんらしいし、出版界の風雲児宝島社らしいと感動でした。
随分前置きが長くなりましたが、その宝島社「GLOW」と朝日新聞がコラボで、
エイジングレイスフリープロジェクトの広告が4/24付で掲載されました。
目的は「40代、50代の女性たちの悩みや課題に寄り添い後に続く世代の女性たちが
生きやすい社会になるように」とのプロジェクトだそうです。
宝島社の女性雑誌「GLOW」の思想とマッチしての企画なんでしょうが。
見開き広告(写真参照)がどうもピンと来ません。
いや、それなりの女性が二人満面の笑みを称えていて……別段問題もないのですが。
Aging Gracefullyわたしらしく輝く「ゆるっと、ゆうがに。」とのコピー。
もっと年齢を重ねることが楽しみになる社会を目指してとの……
朝日と宝島社の思いは伝わるのですが、どうもピンとこないのです。
樹木希林さんが命を賭けて臨んだ宝島社の広告紙面と比べるからかも知れませんが、
当たり前で、なんの変哲もない。面白くもない、輝きを感じない。広告です。
朝日新聞の広告局からの誘いに応じて、このAging Gracefully企画に乗ったのでしょうが、
宝島社の斬新さやユニークさ個性っていう輝きが、旧態然とした権威に包み込まれて
縮んでいるような気がして、どうもスッキリしないのです。Goto
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4/23朝日新聞

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