コロナ禍は小売業のあり方、メーカーの商品開発を根本から変えています。
ウィズコロナの時代です。新しい消費を牽引しようと様々な試みが行われています。
この手法が今後伸びるかといえば、首を傾げたくなりますが、ネット社会です。
大量生産大量消費の発想を引きずりますと見えるものも見えなくなります。
自社で企画・製造した商品を、問屋や小売店を通さずネットなどで直接消費者に販売する。
自社サイトやSNS(交流サイト)を通じて顧客と接点を持ち続け、ブランド構築や商品開発に
顧客の意見を反映する・・・
この手法を「D2C」(ダイレクト・ツー・コンシューマ)と申します。
クラフトビールを展開する会社が「濁りのあるビールが飲みたい」とか
「和風っぽいビールはないか」など顧客の声が届くと・・ビールの特徴である
少量生産で製品化後も味や香り、色味の調整などして進化させ、
顧客の意見を迅速に反映させて届ける。まさに消費者の思いを叶える手法です。
顧客と対話を続けるD2Cは潜在的な課題を見つけ出し、新しい解決策を提案する
商品開発につながります。生活用品の会社は生理用ナプキンなど何も着けずに
繰り返し使える生理用ショーツを開発、1週間で2000枚が完売するヒット商品に。
この会社は生理用品が女性同士でも率直な意見を交わすには抵抗が強いのだが
生理現象を隠そうとしない新しい価値観を持った女性100人と議論を重ね、
従来と異なる解決策を見出した。消費者目線の商品開発です。
D2Cをマーケティングに活用される例もあります。
自社サイトで肌診断を行い、美容サプリメントをサブスクリプションで販売、
継続して顧客データを蓄積し、全てオンライン上で把握して購買に結びつけていく手法です。
従来は百貨店などで実施している手法だが、コロナ禍と共存する新状態でEC化しました。
オンラインで接客し消費が楽しめる環境を生かしています。
日本でのD2Cは、以上のような例が紹介されていますが。
現実的には、ビールの愛好家がどれほどいるのか。
生理用品の開発は大手メーカーへのコンサルタントの領域を出ていません。
美容サプリメントは競合が激しく最終的には継続がなかなか難しい商品です。
果たしてD2Cが新手法として通用するか疑問が残ります。
しかし、D2C商法が先行する米国では、顧客ニーズで生まれた小さく折り畳める
マットレスが全米のヒット商品となり、SNSを活用して次なる顧客ニーズに繋がっています。
米クランチベースによれば2019年から約1年間でD2Cスタートアップは
累計で80〜100億ドルに達したそうです。
コロナ禍はもはや、ネットで顧客と接点を持ち続けたメーカーが
消費者ニーズを取り入れ小売店などを通さずダイレクトに販売する時代を作っています。
さて、我々広告会社はD2Cで如何なる展開をすべきか。Goto
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