スイスの不思議・国会で可決も国民投票で覆ることも・・・
スイスの話です。スイスでは国会で可決された法案でも、
5万人以上の署名を集めれば国民投票で改めて是非を問うことができるそうです。
国民投票の好きな国ですね。国会の役割はどうなるのでしょうか。
今年9月、父親を対象に2週間の休暇を設け、企業や労働者が加盟する国の雇用保険から
収入の80%を支給する法案が国会で可決されました。
しかし、雇用保険から産休・育休の手当てが支払われるため、企業や家計の負担が増えるとして
反対運動が起こり5万4千人分の署名が提出され国民投票が行われます。
私は存じませんでしたが。スイスって日本以上に伝統的な男女観があって、
女性の参政権は1971年、母親の有給の産休が認められたのは2005年。
キリスト教民主党の党首は伝統的な男女観を「受け入れるしかない自然の法則がある。
妊娠や子育ての役割は男女で異なる」とびっくりするような見解です。
欧州各国は競うように育休を推進しています。
フランスでは妻の出産の際に取得できる男性の「産休」とも言える「父親休暇」について
現行の2週間から4週間に倍増させ、うち1週間は休暇を義務付けとするそうです。
2002年に導入された父親休暇制度の延長は17年の大統領選でのマクロン氏の公約、
「大統領はこの分野での欧州の先頭集団に追いつく」と意気込んでいます。
その真逆の価値観が欧州のスイスにあるのが不思議な気がします。
男女観の他にも経済的な面が大きく左右します。
フランスは3日間は有給休暇扱いと同じ、残り25日は上限付きで社会保障により
財源を賄います。財政が豊かな国でないと父親休暇がなかなか進まないのもわかります。
翻って日本です。ユニセフの調査によりますと、父親が賃金同等の給付金がもらえる
日数を国別に換算しますと、ポルトガルが12.5週間、スウェーデンが10.9週間と制度が
充実しています。日本は驚くなかれ30.4週間と制度上はさらに手厚くなっています。
しかし、19年度の父親の育休取得率は7.48%と驚くほど低水準です。
日本の国が豊かかどうかは議論のあるところですが。
スイスの男女観と似通っていますが、制度は世界有数で、保障もしっかりしています。
でも、取得率がさっぱりなのはどこかアンバランスです。
そこが日本的というか、スイスとは違う不思議なところです。Goto
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