予算に賛成した国民民主党を批判する毎日新聞が理解できません・・・
21日にマンボウが解除、長かったコロナ禍が収束に向かっています。
国会で2022年度予算が22日成立しました。
1999・2000年の3月17日・14年の20日に続いて戦後4番目のスピードです。
審議が順調に進んだのは、与党が慎重な国会運営に徹したこと。
岸田政権の閣僚に進退伺いを提出するような不祥事がなかったことで、
野党が攻め手を欠いたことによるのでしょうが・・・
私はそれだけではないと思っています。
コロナ禍から1日も早く立ち直りたいという国民の社会経済活動開始の
欲求が勝り、過去最高額の予算を支持したことにあります。
先の総選挙で野党の力が削がれたことも大きな要因でしょう。
もちろん、ウクライナ戦争が日本の経済にもジワジワと影響してきました。
このままではインフレが加速します。早めに予算を挙げ、次の手を考えて欲しい。
そんな国民の後押しがあってのことではないでしょうか。
そして、野党の国民民主党が衆参で予算案の賛成に回ったからです。
毎日新聞は社説では、政権に全面的に協力しながら野党を名乗る資格はないと批判しています。
個別の法案や補正予算なら、野党が賛成するならわからないでもないが・・・
ガソリン高の対策の政策協議という形で事前審査へ加わることは、国会審議の形骸化に
手を貸すことになり、政権監視という野党の役割を果たせない。
自民党が国民民主との協議に応じる背景に、夏の参院選に向け、野党を
分断する狙いがあるのは明白。国民民主はもはや野党ではないと辛辣に批判します。
玉木代表は「我々は明確に野党だ」と繰り返しています。
野党とはなんだと改めて思います。そもそも与党とは政権を担当する政党、
野党とは政権の座についていない政党をさします。英国に二大政党制です。
ということはいつでも政権交代可能な体制を有しているのが野党です。
ですから今の野党は本来的な野党の体をなしていません。
政治学的には・・19世紀以降、資本主義国家内に資本主義に反対する社会主義政党が登場、
本来の意味での与野党という意味が変質してしまいました。
共産党が与党になりますと、一党支配は野党の存在を認めません。
第二次世界大戦後の現代資本主義国家においては、社会主義諸政党は、
共産党も含めて、政権獲得後も反対政党の存続を認めているので、
社会主義政党は、国によって、与党になったり、野党になったりしています。
政党が多数分立し、諸政党の連合によって政権が成立するフランスやイタリアのような国では、主義・主張やイデオロギーで区分する与党・野党といった従来の分類法がかならずしも
妥当しない場合もあります。
と政治の教科書を学んでみますと、日本の与野党の概念はいずれにも当てはまりません。
政権監視が野党であるという主張そのものが、論理の破綻をきたしています。
古典的な与野党論を振りかざして、国民民主を野党でないと力んでも意味はありません。
国民民主はトリガー条項の撤廃を与党が飲むなら・・と予算賛成に条件を付けました。
日本は資源のない国です。異常なまでに高騰する原油価格はインフレを助長し、
国民生活のあらゆるところに影響を及ぼしています。
そこに焦点を絞って、与党に迫り、協議に入られる戦略は、弱小野党にとって
当然の策だと思います。それを頭から否定するのは如何なものか、
政権を監視するだけが野党だとする毎日新聞は19世紀の与野党論から
一歩も進歩していないと思うのですが・・・
コロナが収束に向かうが、ウクライナ戦争が世界に重くのしかかっている今こそ、
22年度の予算を迅速に成立させたことは、国民の側を向いてい野党だと
言わねばなりません。批判のための批判では国民生活は窮地に陥ります。Goto
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