マスターズに思う

チャンピオン・シェフラー、18番の4パットにマスターズの偉大さを知る。
今年もアッと言う前に終わってしまいましたねぇ。
ディフェンデイングチャンピオン・松山英樹プロの連覇を期待し、
寝不足覚悟でマスターズを中継したTBSに齧りついたのですが・・・・
怪我もあり万全な体調ではなかったようですし、チャンピオンとしてディナーを振る舞い、
慣れないスピーチにも神経を使ったのです。結果は14位でしたが、実力は世界最高です。
ゴルフをやらない人にはマスターズと聞いてもゴルフの大会でしょ・・で終わりますが。
それが違うのです。そうではないのです。
アマチュアであろうとゴルファーならマスターズは世界屈指のブランドですが、
ゴルフに興味のない人にとってもマスターズは特別なモノなのです。
マスターズは球聖ボビー・ジョーンズが故郷・ジョージア州に作った、
オーガスタ・ナショナルGCで始まったトーナメントです。
1934年の第1回大会から5年間は「オーガスタ・ナショナル・インビテーション」という大会名でした。
現在のマスターズの名称に変更されたのは1939年の第6回大会からのことです。
この大会をジョーンズと一緒に企画したクリフォード・ロバーツが、
世界中の名手たち(Мasters)だけが出場できるトーナメントという意味で
「ザ・マスターズ・トーナメント」と提案したものの、
当初ジョーンズはちょっとおこがましいんじゃないかと言って賛成しなかったそうです。
ジョーンズの奥ゆかしさを感じる歴史の一コマですが、
その後はその名「ザ・マスターズ」に相応しいトーナメントに成長しました。
出場選手は90名前後が招待されます。全てがオーガスタ・ナショナルGCの招待です。
ゴルフというスポーツを世界に広げようとアジアやラテンアメリカのアマチュア選手権の
覇者も招待されます。ですから、日体大の中島啓太選手も出場できました。
オープン競技とも違います。
観客はパトロンと呼ばれ、入場券は100年待ちとも言われています。
そうなのです。オーガスタでプレーするどころか、観戦も簡単ではないのです。
更に、凄いのが観戦ルールです。スマホなど写真、動画の送信できる電子端末の持ち込みは
禁止です。スマートウォッチでのメールデータ保存なども禁止、違反者は即刻退場です。
コース内も走ることを禁止されています。違反者はスタッフが注意します。
その意味では、パトロンの質が他の大会とはひと味もふた味も違います。
そしてコースです。オーガスタはマスターズを開催するためだけに1年間掛けて整備されます。
何番ホールにはこの花を、この木を、この芝を・・・季節を題材にしてマスターズを
演出します。ですから、初めて観戦してもゴルフというスポーツを満喫することができます。
それと、古き良き伝統を重んじながらですが、AI(人工知能)を活用し、
大会をデジタル化しています。全選手のショットが動画で撮影され、公式サイトや
携帯端末用のアプリで随時配信され、2万以上の映像から選手の一喜一憂が見られます。
もちろんパトロンの興奮度も流れます。
コース内のスコアボードはあくまでも手動式ですが・・・敷地内にはデジタルオペレーターが
あり、主催者とIBMのスタッフが常駐し、映像やデータを管理、世界に配信しています。
マスターズは保守的です。変化を嫌います。変えないものは頑なに変えません。
デジタル技術への移行や多様性は世界で直面する社会課題です。
保守的であるマスターズが伝統を守りつつデジタル化を進める。
たかがゴルフですが、これぞ次世代が学び取れることではないでしょうか。
それにしてもシェフラー(25)は強かったですね。
18番・4パットしました。世界ランクNo1のプロです。それが有り得ない4パットです。
マスターズが如何に偉大ゴルフの祭典かがわかります。
それにしても松山プロはよくぞチャンピオンになりました。Goto

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