文化庁移転

文化庁は国の機関です。京都のものではありません。

省庁の移転計画って・・・いつ頃の話だったでしょうかねぇ。
東京・関東圏への人口集中が激しい。地方の衰退に歯止めが掛からない。
ではどうするのか・・・地方の再生は政治の一丁目一番地だと、地方創生を訴えたのは・・野党でも与党でもない・・全ての政治家です。2010年代の話です。

中央官庁の多くを地方に移転させたらどうだ。絵図までできましたねぇ。
そして、擦ったもんだの挙句、決定したのが文化庁の京都移転だけ。
まるで、大山騒動ネズミ一匹の類です。

なぜ文化庁だけだったのか・・・詰まるところは・・効率が悪い、情報が分散するなどなど・・要するに官僚たちがお得意の理屈を付けて、拒否反応を示したからです。だったら、そんな無駄なこと議論するなよ。と申しあげたいのですが・・・

時の政権、振り上げた拳の下ろしどころがない。それで、人身御供の程で、
文化庁が差し出され・・・京都移転が決まったのです。
妥協の産物です。2023年の3月末を持って移転することなど・・とうに忘れていました。それも全職員の半分だけ。如何にも中途半端です。ですから、中央省庁初の地方移転などという報道を聞いて、えっ・・今頃っていう感じです。

それに・・・その当時からの議論が、文化庁の恨み節のように聞こえるのも当然です。東京・霞ヶ関との距離が業務に支障をきたし効率を下げる。他省庁との折衝機会が多い幹部連中の東京〜京都間の移動時間を試算すれば4000万円超のコスト増になる。オフィスの引越し代が11億円、京都府による新庁舎の整備費は38億円で同庁が賃料として支払わねばならない・などなど、中身を度外視して批判する声がメディアから流されています。ぶつぶつ言わずに・仕事せよです。

文化庁の本来の仕事はなんでしょうか。
「千年の都から世界へ文化を発信する」文化庁長官。
「文化施設を強化する起点の年となる」京都市長。
企業とアーティストらが商品開発などの商談を行うスペースや、観光客が
茶道や華道といった伝統文化を体験できる場「文化と産業の交流拠点」を
市内に整備する・・京都商工会議所。などと京都が盛り上がっています。

そうでしょうか?そもそもですが・・・文化庁は、著作権及び著作隣接権を管理する事業を行う者について登録制度を実施し,その業務の適正な運営を確保することにより,著作権及び著作隣接権の管理を委託する者を保護するとともに,著作物,実演,レコード,放送及び有線放送の利用を円滑にし,もって文化の発展に寄与することを目的としています。これが文化庁の本分です。

文化庁は文化財が多い京都のためのものではありません。
敢えて申します。ネット社会です。オンラインで仕事する時代です。
文化庁そのものが移転に懐疑的であることこそ・・問題です。

ネット社会をどう構築するかも新しい文化ですから。
そこが履きちがった報道に苦笑です。
文化庁の移転は霞ヶ関に集中する国の中央官庁の分散と疲弊する地方を創生する
第一歩であることを、政治家に認識してもらいたいものです。Goto

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