誤認惹起(じゃっき)的な行為は禁止・・・
私が広告に関わった当時、最初に教わったのは・・中日新聞の掲載基準です。その最初に書かれていたのは「広告主が掲載されていない広告は広告ではない」ということです。商品名が認知されているのだから・・良いではないかも・・もちろんNGでした。住所・電話番号も表記の義務がありました。
「ステマ」という広告手法が横行しています。ステルスマーケティング・・・・広告ということを隠して宣伝する手法です。卑怯ですね。そんなやり方・発想で広告をしようという考え方は。正道ではありません。消費者は賢であります。一時的には騙せても、長い目で見れば、残念ですが、早晩朽ち果てます。
このほど・・消費者庁は10月1日からステマについて、景品表示法に基づく規制を始めると発表しました。違反をすれば行政処分の対象になります。ステマについて確認します。実際は事業者の広告であるのに、第三者に依頼するなどして感想や意見のように見せかけ、広告であることを隠すことがステマです。
欧州連合は、消費者に対する商品の販売促進や表示などを対象とする不公正取引方法指令で「誤認惹起的な行為」は禁止されています。他者の商品についての表示をインフルエンサーのような第三者も規制対象になっています。
日本は甘々でしたが・・・このほど「おとり広告」など個別に告示として指定する不当表示の類型にステマを追加。「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」をステマと定義しました。同時に何がステマとして規制されるのかをまとめた「運用基準」も公表されました。
専門的ですが。中身は二つです。一つは「広告」は「広告」であることが明確であるかどうかです。私が広告の仕事を始めた当時に戻っただけです。私が広告を生業としてから46年間、私は広告を広告として扱ってきました。それが当然だと思っていますが・・・どこかで歪んでしまったのですね。
もう一つは事業者が第三者の表示内容に関与しているかどうかです。事業者と第三者の間の具体的なやりとり、対価の内容、過去・今後において対価を提供する関係性があるかなどの客観的な材料をもとに個別に判断されます。判断されれば行政処分の対象になります。当然ですね。
でも、ステマに対する独自の規制ではありません。既存の商品表示法に改正を加えたものです。問題点はまだまだいろいろありますが、ひとまずは隠蔽してモノを売ることが違法になったことは前進です。でも私は不満です。なぜなら、事業者が責任を問われるのは当然ですが、広告会社がステマ手法の提案を事業者にする場合は往々にあります。であれば、広告会社の責任は免れません。罰則規定があって当然ではないでしょうか。そこが不満であります。
広告を生業とするものとして。広告は広告です。広告であることを隠して広告するような卑怯な行為は断じて許されません。広告を扱う全ての同業者のためにも、広告業界の健全な発展のためにも。誤認惹起的な行為は自ら排除しましょう。Goto
コメント
個人的な考えですが、
広告らしい広告の代表格である、テレビCM・折込チラシ・新聞広告・看板に対して思うことは、
鬱陶しい時もあるが、面白い時もある。
対して、発展途上である、SNS・WEB広告に対して思うことは、
鬱陶しくて、胡散臭いです。
SNS・WEB広告の世界でも鬱陶しくて、面白い広告が溢れると良いです