新聞の危機

朝日新聞の経営に赤ランプが・・・・

先般・このブログで読売新聞が購読料金を一年間据え置くとの「社告」を
紹介しました。その折に、このインフレ下においていちばん強くて、
経営に余裕のある読売が、そんなことをすれば、他の新聞社は苦境に
陥ります。新聞の盟主としての矜持を持つべきと述べました。

朝日新聞は(4/5付)朝刊で、「社告」とは言いません。「お知らせ」と言って
いますが、主力商品を値上げするのです。社告とするのが読者への敬意だと
思うのですが・・・「読者のみなさまへ、購読料改定のお願い」と題して
囲み記事を掲載しました。併せて東海3県で発行する夕刊を休止するとも。

私の感覚では、夕刊の休刊、朝日よ毎日新聞に続いてお前もかの心境です。
そうなりますと、東海エリアで夕刊を発行しているのは日経と中日だけになります。夕刊はほとんど読まれていません。新聞経営の不採算部門です。
なぜ、発行を続けてきたのか意味がわかりません。毎日が休刊した時に
朝日も早晩そうなると思っていましたが、やはり「お前もか」です。

次に中日が、そして日経が休刊し、この地区には、夕刊という新聞は
永遠に姿を消します。寂しい限りですが、それが新聞の現実です。
朝日の料金改定ですが、理由は原材料の高騰・配布コストのアップ。
そして、報道の質を維持し、新聞を安定発行するため、致し方ないからです。

それはそれでわかりますが・・・本当の理由は、往時には800万部と言われた
総発行部数が350万部まで激減したことによって、経営基盤を失ったからです。
ということは、さらに購読部数が減少すれば、さらなる値上げをするか、
それとも、現在の体制を縮小するしか方法がなくなります。

購読料を値上げすれば読者は減少します。
それは織り込み済みの夕刊の休刊であり改定のはずです。
となりますと、本質的と申しますか、抜本的に改革をせねば、報道機関としての
体をなさなくなります。でも「お知らせ」からそんな危機感は見えてきません。

当面は朝刊総合2面をリニューアルする。3面の特集「時時刻刻」を「分かりやすく」「深く」「広がり」のある内容の誌面にする・・そうです。
それは値上げせずともそうすべきことですが・・・文字を1割大きくすることについては、疑問です。一段の文字を12字から11字にする、高齢読者の声と
いうことですが・・・本気でそう思っているのでしょうか。

文字を大きくすることは、誌面全体を大きくするか、ページ数を増やさねば
今までと同じ量の活字を掲載できないってことです。そのことには一切触れて
いませんが。新聞に掲載する記事が減るってことです。食品で言えば、商品価格を上げて、内容量を減らすってことです。それって二重の値上げになります。

多分、私の感覚では、朝日の首脳たちはそう考えてはいないと思います。
新聞は記事が商品です。物理的に記事が減れば、商品価値が下がります。
記事の中身が「分かりやすい」とか「深い」とか「広がり」を持たせるから
値上げを認めろは新聞社の思い上がりです。値上げするなら、記事を増やす
増ページするのが、常識であります。活字を大きくするのは理解できません。

私は心配します。読売は踏ん張って値上げを先送っていますが、毎日は
経費削減で夕刊を廃止。朝日は値上げと夕刊の廃刊を同時に実行します。
1年後には読売も値上げでしょう。そして夕刊を廃止することになるでしょう。

全国紙だけではありません。朝日の値上げはブロック紙、ローカル紙も
こぞって値上げに踏み切ることになります。この五年間で新聞は1000万部
購読者を減らしています。値上げすれば、購読者はさらに減少します。

そうなれば、文字通り・・新聞の危機。新聞の崩壊です。
解決の方法は一つだけです。語弊がありますので、書き込みませんが、
少なくとも天下の朝日が経営に赤ランプが点ったのは間違いありません。Goto

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