びんずるさん

驚きましたねぇ。白昼堂々といや、朝ですか、長野の善光寺本堂外陣に
鎮座する「賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)」が盗難に遭うなんて。
お寺側も想像だにしていなかったのではないでしょうか・・びっくり。

でも、数時間後に長野県警が犯人を逮捕、事なきを得てよかったのですが、
そのおかげなんて言えば、叱られるかもしれませんが「賓頭盧尊者」・・
通称「びんずるさん」が一躍有名になりましたね。

賓頭盧はお釈迦さんの弟子のひとり。獅子吼の第一と称されていて、
名がピンドーラ、姓をバーラドヴァージャというそうです。名前の意味は
不動、利根。なぜ「びんずるさん」が「撫仏」と言われるのか、その由来は
わかりませんが・・最も有名なのは善光寺さんの「びんずるさん」ですが、
全国各地におられます。

ご存じの方が意外に少ないので、紹介しておきます。
我が故郷・岐阜の仏像といえば・・日本三大仏の一つと言われる・金華山麓の
黄檗宗(おうばくしゅう)金鳳山正法寺の大仏です。三大仏というのですから
後の二つは奈良の大仏・鎌倉の大仏です。

まぁ・・そこまでは有名ではありませんが、岐阜の大仏が日本三大仏に
数えられるのは、その構造です。周囲1.8mの大銀杏を真柱として、内部は木材で骨格を組み、表層は竹材で編み粘土を塗った上に阿弥陀経、法華経、觀音経などの一切経を重ね、その上に漆を施して金箔をおいた日本一の漆箔による大仏像です。

大仏のサイズは像高が13.63m。顔の長さ3.63m。目の長さ0.85m。
耳の長さ2.12m。鼻の高さ0.36m。口の幅1.3mです。
現住職が竹馬の友で、無二の親友です。ですから、子供の頃から彼の家に
入り浸っていました。家といっても正法寺の庫裡ですが。

ですから、私は子供の頃から、この大仏さんが大好きです。今は老朽化して危険ですから、お顔を目前に見ることができる回廊は立ち入りできませんが、
当時は、大仏殿が遊び場で、回廊に登って身近に眺めていました。

大仏殿には大仏様を取り囲むようにして五百羅漢像が安置されています。
羅漢のひとりに「賓頭盧尊者」もおられます。もちろん、病を癒す「撫で仏」として、入り口に安置され、参拝者の無病息災を願っておられます。

そんなことで、びんずるさんとは子供の頃から、随分と親しくさせていただいていました。私が健康で元気に暮らしていられるのは、岐阜の大仏殿の賓頭盧尊者のおかげかもしれません。

その大仏は建立が1787年・240年ほど前です。老朽化が進んでいます。
正法寺では建て替えの話もあります。岐阜県重要文化財です。
私も少しはお手伝いできればと思っています。Goto

コメント