藤井聡太八冠に学ぶ

大人がそれぞれの思惑で騒ぐのも良いですが・・・

驚きましたねぇ。色々と・・・
将棋の藤井聡太7冠(21)が王座奪取で、史上初の八大タイトルを
独占したのですから・・・現在将棋のプロ棋士は174人・・
ただ一人を除いて・・・この前人未到の偉業に拍手しながらも、
胸中は複雑ではないでしょうか・・・

日経の一面・名物コラム春秋。藤井八冠を称賛しつつ・・
味のあるコラムが掲載されました・・・
1969年・王将戦・谷川浩司さんは羽生善治六冠に敗れ無冠に。
羽生さんは当時のタイトルを独占・七冠に輝いた。

敗れた谷川さんに長野県のある中学校の校長先生から揮毫を求められた。
添えられた手紙には「現在の子どもは1回躓くと取り返しがつかないという
妄想に駆られている。つきましては・・・負けたあなたには酷だが」・・

谷川さんは上梓した「復活」で、負けた時の心境をこう綴っています。
「それまで持ち続けていた誇りを、いったん将棋の神様に返上した」
自分を見つめ直し、1年たたず竜王に返り咲き、この手紙に励まされたと。

春秋は、王座を奪われた永瀬拓矢さんの全棋士が抱いたであろう
後悔と無念を代表して「ゼロからやり直す」との決意がなんとも頼もしいと
エールを送る・・・日経らしいじゃないですか。

藤井八冠達成への驚きはいくつもありますが。本人は至って冷静。
まずは、中日新聞の号外です。私の感覚では、号外というのは、発行の号数に
カウントされないから号外です。その号外が13日の朝刊に挟み込まれたのです。びっくりですね。

藤井八冠は愛知県の出身です。ご当地ですからわからないでもありませんが・・
「藤井聡太八冠の誕生を受け、本紙は号外を発行し、東海地方の街頭などで
配布しました。本日の朝刊は特別な誌面構成にし、号外をお届けします」
と、囲みで断っているのは、多少後ろめたさがあるのかも。

それと出身地の瀬戸市のはしゃぎ様にもびっくりですね。
商店街が大盛り上がりで、活況を呈しているっていうじゃないですか
経済効果は半端ない・・そうです。ご本人の方が照れてしまうのでは?

それと、インタビューでの本人のコメントです。
これが、棋士なのでしょうか。浮かれたところもなければ、
緊張した様子もない。ただ淡々と自己を分析して、未熟さを反省する。
21歳ですよ。驚きを通り越して、こんな若者が存在することに尊敬の念です。

大リーグの大谷翔平さんといい。藤井聡太さんといい。
どこにも衒いがない。本物というのは年齢は関係ないってことですね。
齢75目前にして、迷いの連続の我が身を振り返り、自らの未熟に
不甲斐なさを感じつつ・・

千玄室師・百歳にして「死んでからも修業ぞ」の言葉が頭をよぎります。
この大器・我々が騒ぐことなど、歯牙にもかけないでしょうが・・
国の宝です。大切に見守りたいものです。Goto

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