広告は正面から正々堂々とアピールするものである。
詐欺とは申しませんが。こんな広告手法が罷り通るならば、
ネット広告の将来は暗いと言わざるを得ません。
広告とはそもそもクチコミや個人の思いや感想によって、その価値が認められるものです。古くは井戸端会議などの無邪気な会話で、商品が広まるモノです。その意味では使い勝手の良い商品は自然に広がっていきます。
広告の役割は、正々堂々と生産者や販売者を明記して、商品の価値を説明することにあります。偽りとか隠して意図的に商品やサービスを宣伝する方法は卑怯です。そんな広告手法をステルスマーケティング(ステマ)と言います。
社会問題化しています。
ステマは消費者を騙す行為と断定され、消費者庁の景品表示法の不当表示に加えることで、昨年の10月から法規制の対象になりました。摘発されたステマはこんな例です。医療法人が運営するクリニックの話です。昨年秋のこと。インフルエンザの予防接種に訪れた人に「グーグルマップのクチコミ欄に高評価を投稿してくれれば、接種代金を割り引く」と働きかけた。
消費者庁の分析では投稿を依頼する前のクリニックへの星五つの評価は9件だったのに。依頼した期間(23年10月2〜17日)計232件に増えた。そのうちの45件についてはクリニック側の働きかけによる不当表示にあたると断定した。
景表法では措置命令に従わない場合、重刑が科せられる。個人の場合は2年以下の懲役・300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金となっている。
この係争中のクリニックにどんな判断が下るか。興味のあるところです。
ステマには二つの問題がある。一つは「ステマを行いたがる広告主がいる」ってことだ。消費者庁がネットで情報を発信するインフルエンサーにアンケート調査すると「ステマを広告主から依頼された経験はあるか」との問いに41%が「はい」と答えている。数字は別として、広告主の過半数がステマ広告を望んでいる。
もう一つは広告主に違法であるステマを仲介・斡旋するブローカーが存在するってことである。大概がネット広告代理店である。広告は情報である。広告は社会を動かす尖兵である。と私は考えるが、広告を金儲けの手段としか考えない・・広告秩序の論理が欠如している連中によるステマの横行が問題です。
行政処分ができる消費者庁には物理的に限界があります。
となると、この問題を解決するには、SNSの運営事業者との連携が重要です。投稿の早期削除や悪質な広告代理業を名乗るブローカーの発見に繋げていくべきではないか。今は規制の対象外になっているインフルエンサーについても、悪質なステマ投稿をしている場合は処分できるよう早急な法整備が必要です。
ステマ広告の横行から消費者を守るためには実態を鋭く暴くマスコミ・それも新聞の力が不可欠です。同時に法整備を強化する政治の力が必要です。もちろん、騙されない賢い消費者にならねばならないのだが。Goto
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